アパート経営での入居募集や維持管理など

不動産投資でも利用できる団体信用生命保険はオーナーに必須!

団体信用生命保険(通称、団信)は、住宅ローンの返済中に死亡・高度障害となるとローンの残債を完済してくれる保険だ。個人向けの住宅ローンで利用されるのが主だが、不動産投資(アパート経営)でアパートローンを組んでいる人も利用できる。

一見すると、持ち家のためにローン返済している人と、自らの収益のためにローン返済している人をイコールに扱うのに違和感を感じるかもしれない。ただ、大家が死亡してローンが残り物件売却(もしくは取り壊し)となれば、それで困るのは部屋を借りている賃借人だ。ローン債務者の被相続人は物件売却で完済できて問題ないが、賃借人は強制退去となれば突如として衣食住の住を失うことになる。その意味で、不動産投資の大家にも団体信用保険を利用する権利があるといえよう。

それでは、団信の概要と保障・保険料についてだが、概要としては前述したようにローン債務者は被保険者となり、保険契約者・は保険金受取人はローン債権者である銀行などの金融機関となる。誤解されがちだが、債務者が保険料を負担するが、受取人が債権者であるため生命保険料控除の対象とはならない。不動産投資においても、経費としての保険料にはカウントされない(そもそも保険料分は金利に含まれていることが多いが)点は忘れずにおきたい。

団体信用声明保険の概要と保障内容

最近では、金利の上乗せや別途保険料を支払うことで、ガン診断保障や三大疾病保障などを付加できるようになった。この保障によって死亡・高度障害以外でも、所定の病気と診断されればローン残債が相殺・完済される。基本的にガン保険や三大疾病保険などは不要(詳細はがん保険は必要か?三大疾病保険は必要か?を参照)ではある。これらの保険は一般的に治療費が心配で契約する人が多いが、その額は大きくは無く不動産投資をしている(もしくは検討している)人なら、何ら支障のない額といえる。しかし、こと不動産投資においては別の側面から、保障の追加を一考する余地がある。

その理由には「事業の継続・精神的な負担・家族の負担」が挙げられる。まず前者だが、仮にアパート経営を自分1人で行っている場合、自分が病床に伏している間に空室が出たり天災などで修繕が必要となった場合に、迅速な行動がとれなくなる。家族と一緒に経営しているとしても、実務的な経験が無い場合も多いだろう。そうなると、誰か雇うかサポートする人を探す必要が出てくる。1人雇えば月30万円の出費となり、入院が長引くほどにキャッシュフローが悪化する。しかし、ローン残債がゼロになっていれば、少なくとも利息支払いで苦しむことはなくなる。専門家に依頼することで、自分の精神的な負担が減り治療に専念でき、家族にも自分の入院の世話以上の負担が発生することはない。

もちろん、入院後に病気が寛解ないしは完治してローン残債がゼロかつ利息支払いがゼロになればベストだ。しかし、仮に病気が完治せずに死亡したとしても、その間の利息支払いがゼロになり、葬儀・埋葬などで家族がせわしなかったり落ち込んでいた時期があったとしても、自分が雇った人物が適正な時期まで運用・管理してくれる。そして、その後の収益物件の相続まで計画しておけば完璧だ。

以上が不動産投資における団体信用生命保険についてだが、保険料は決して安くはないがメリットは大きいため間違いなく加入・契約した方が賢明だ。また、相対的に保険料負担が大きいようなら、他の生命保険を削って適正なバランスを保つといいだろう。何か不安があればネットや書籍での情報収集だけでなく、FP・銀行・税理士などの無料相談を利用したり、不動産相談会(不動産投資セミナー)などを利用するのも手だ。