ネット銀行の住宅ローンのメリット・デメリット

楽天銀行の住宅ローンはメリットもあるがデメリットも!?

楽天銀行は2001年に設立したイーバンク銀行を、楽天が2009年に買収して誕生した銀行だ。楽天グループのため楽天ポイントなどもあり、楽天ユーザーだと多くの特典がある銀行として知られている。

楽天グループならではの数多くのメリットがある一方で、当然ながらデメリットもある。以下で、楽天銀行の住宅ローンの金利以外(金利比較は住宅ローン比較 東日本編西日本編を参照)のメリット・デメリットを記述する。

まず下図では、楽天銀行と一般的な都市銀行・地方銀行の住宅ローンで、手続き・借入までの日数・定額自動入金・保証料(+保証会社の手数料)・事務手数料・抵当権設定費用・一部繰上返済の手数料・ATM手数料・団体信用生命保険を比較した。

- 一般的な銀行 楽天銀行
手続き ネット+書面郵送+来店 ネット+書面郵送(+面談)
借り入れまでの日数 1ヶ月~1ヶ月半 最短20日
保証料 借入金額100万あたり1~2万 無料
保証会社手数料 約3万円 無料
事務手数料 固定金利特約だと1万円 約33万円
抵当権設定費用 借入金額の0.4% 借入額の0.1~0.4%
定額自動入金 有料or無し -
一部繰上返済手数料 有料またはネットのみ無料 無料
自行ATM手数料 無料だが時間外は回数制限 有料(残高次第で無料)
コンビニATM手数料 有料 有料(残高次第で無料)
団体信用生命保険 無料だが三大疾病等は有料 無料だが三大疾病等は有料
楽天銀行と一般的な銀行の比較(手続きの流れ・借入までの日数・定額自動入金・保証料・保証会社の手数料・事務手数料・抵当権設定費用・一部繰上返済の手数料・ATM手数料・コンビニATM手数料・団体信用生命保険)

まず手続きについて一般的な銀行と比較すると、ネット・書面の郵送は同一で、あとは銀行に来店するか司法書士との面談で済むかの違いしかない。ただ、楽天銀行は申込から借入までの日数は最短20日と謳っている。これは審査が最短3日で契約までの手続きも最短2週間程度にしていることが寄与している。ただ、最短20日で済むかは、自分が如何にスピーディーに書類を記入して郵送するかに懸かっている。

その点、じぶん銀行であれば必要書類をネットにアップロードすれば済むため、最短10日で契約というスピードを実現している。そう考えると、楽天銀行の最短20日という数字も特段に早いものではないとも考えられる。

楽天銀行の住宅ローンの契約までの流れ

各種手数料については、一般的な銀行は保証料・保証会社手数料などで数十万円の負担になる。楽天銀行は無料だが、ネット銀行は総じて無料としており、楽天銀行ならではの特典・メリットではない。しかし、事務手数料がローン借り入れ金額に関わらず約33万円に固定されている点はメリットといえる。借り入れ額の0.2%としているネット銀行も多いため、借り入れ額が1700万円を超えるようなら楽天銀行の方が得になる。新生銀行が10万円程度と考えると物足りないが。。。

次に返済についてだが、じぶん銀行・住信SBI銀行のように手数料無料の自動入金サービスは存在しない。そのため、給与振込みの銀行を別の銀行にして、楽天銀行は住宅ローンのための銀行、と使い分けることは振込み手数料を考えると損だ。

そのため楽天銀行を給与振込みの銀行にして、メインバンクとして利用することがベーシックな利用方法となるが、いかんせんATM手数料が厳しい。口座開設から6ヶ月間は月5回まで手数料無料だが、それ以降は基本的に入出金に手数料が発生する。入金は3万円以上なら手数料無料だが、3万円未満なら手数料216~270円を徴収するなど徹底している。

一応、楽天銀行で住宅ローンを組んで楽天銀行を返済口座にすれば、ATM手数料は月1回まで無料になるが、それ以上となると預金残高・取引回数によって変動する。

楽天のハッピープログラムとATM手数料と振込み手数料

預金残高を相当に置いておけるか、宝くじなどを楽天銀行を購入できないようだと、入出金で無駄に手数料を徴収される。楽天ポイントを加味しても、メインバンクとして利用するにはハードルは低くは無い。

次に団体信用生命保険についてだが、楽天銀行は一般的な銀行と同様に、死亡すると住宅ローンがゼロになる一般団信は保険料は無料で金利上乗せもない。だが、三大疾病などの病気になると住宅ローンがゼロになる保険だと借り入れ金利が0.2~0.3%は上乗せされる。特に楽天銀行ならではのメリットは無い。

最後に他行に無い楽天グループならではの特典としては、随時キャンペーンが行われており、2人に1人に1万円分の楽天ポイントをプレゼントなどが展開されている。借り換えであれば、楽天での買い物によるポイントが1年間5倍などもあるが、新規となると適用外のため、期間限定で適用されていればラッキーといえそうだ。

楽天銀行の住宅ローンについては以上だが、金利を度外視すれば事務手数料で有利な面があるが、総合的にはイマイチな感が否めない。目玉は他の楽天との連携・楽天ポイントといえるため、そこに魅力を感じない人だと金利以外では微妙な銀行となりそうだ。