住宅を取得するための住宅ローンの基礎知識

住宅購入時の諸費用はいくら? ローン関連だけでも数十万円は固い?

住宅の取得は普通は一生で1番高い買い物と呼ばれているが、土地・建物そのものの費用の他にも費用が必要になる。それでは、他にどのような費用が必要になるのか?

まず土地・建物以外に費用な費用は、税金・ローン関連・保険関連・引越関連の4つに大別できる。税金については「不動産の取得から保有中に発生する税金」も参照して欲しいが、売買契約書・建築工事の契約書の作成などに必要な印紙税、その不動産を自分が所有していることを国に登録(登記)するための登録免許税、不動産を取得するだけで発生する不動産取得税等がある。購入する住宅の価格にもよるが、これだけで10~20万円程度は必要になる。

次に住宅ローン関連だが、実は住宅ローン関連と保険関連の費用は、さりげなくローン借り入れ額の中に含まれているため、無意識になりがちなため注意が必要だ。まず住宅ローンを借りる際の融資事務手数料があり、多くの銀行では31500円だが、35年間固定金利のフラット35だと手数料が「融資額×2.1%」とする会社もある。仮に4000万円の借入だと融資事務手数料だけで80万円と高額になるため注意が必要だ。

他にローン保証料が借入金の中に含まれている(内枠形式)となっている点も見逃せない。ローン保証料は、ローン返済の保証人に保証会社を利用すると発生するもので、昨今では連帯保証人ではなく保証会社を利用することが一般的なため、避けては通れない費用といえる。普通は賃貸住宅のように家賃とは別に保証会社から請求がくる(外枠形式)が、最近では保証料相当額として銀行側で金利を上乗せすることが多い。上乗せ金利は0.2%と一見すると僅かな金利に見れるが、借入金4000万円なら年8万円になる。

同じく金利に上乗せされる費用には「団体信用生命保険料」もある。この保険はローン契約者が死亡した場合に代わりにローン残高を支払ってくれて、ローン残高がゼロになる保険だ。この保険は多くの銀行では加入が必須で、借入金の金利にプラス0.3%される。銀行によっては「保険料は当行が負担します!」と記載していることもあるが、実際には金利が上乗せされているだけということが多い。

ただし、前述したフラット35の場合には金利を上乗せする内枠方式ではなく、借入金とは別に団体信用生命保険料を支払う必要がある。ローン残高1000万円に対して、年額36000円となっている。金利にすれば実質0.35%のため、一般的な銀行の住宅ローンよりも若干高くなっている。

ちなみに同じ保険でも、火災保険・地震保険は自分で契約することになる。もちろん不動産会社・銀行で勧められることはあるだろうが、最終的には自分に選択権がある。火災保険料は火災だけでなく台風による風災・台風による水災・雪害などによる損害も補償される。地域によって補償範囲を考えるといいだろう。地震保険の保険料は全社一律で年々上昇しているが、こちらも地域によっては是が非でも加入しておいた方がいいだろう(詳細は次に日本で起きる地震を参照)2つの保険で年間で数万円は固いだろう。

最後に引越し関連だが、新居に伴う家具の刷新を除いても10~30万円は覚悟しておく必要がある。家具の数、引越し先との距離によって引越しの料金は異なる。正確には、引越しに要する人員・車両・時間が異なるため、より人員・車両・時間を要する引越しになると料金は高くなる。さらに時期によっては人員・車両不足となるため料金が高くなる傾向にあり、特に引越しシーズンである3月は高い。早々に見積りをとって目星を付けておいた方が賢明だ。

以上が住宅購入時の諸費用についてだが、トータルで最低でも100万円程度は覚悟しておいた方がいいだろう。諸費用をローンの中に全て含めて住宅を検討するか、その分だけ余分に頭金を準備しておくといいだろう。それでも不安があるようなら、資金面ではFP・銀行の無料相談を利用するといいだろう。税金面では税理士、不動産の登記では司法書士の無料相談などを利用して直接確認するのも1つの手だ。