不動産売買の留意点/注意点

不動産(土地)価格の仕組み・調べ方と思わぬ落とし穴!

不動産(土地)の売買にあたっては、高価格でふっかけられないように、売主から提示された売買代金が適正か否かを確認せねばならない。土地の価格水準は公示価格や路線価によって把握することができる。

その前に土地の価格は一物四価と呼ばれるように、様々な目的に応じて価格差があることを知らなければならない。例えば、実際に土地が売買される金額と、相続税や固定資産税で税額を算出するために評価される土地の金額は異なる。ただ、土地基本法により路線価は公示価格の80%程度と決まっているため一定の相関性がある。下図の各価格の相関図を見て欲しい。

土地価格の算出(実勢価格・公示価格・路線価・固定資産評価額)

売買時価は市場で売買される価格で、公示価格は国土交通省が示す土地の金額だ。ある土地の価格を調べたい時に、公示価格は国交省のHPから検索できるため公示価格に10%を上乗せした額が実勢価格となる、と非常に楽だ。しかし、公示価格はあくまで国交省が各都市の標準的な場所を、ピンポイントに定めて評価しているに過ぎない。そのため、ある土地の金額を調べたくても付近の土地の金額は分かれど、何丁目何番地の土地の額は把握できない。

そこで登場するのが国税庁が発表する路線価で、こちらは相続税を算出するために何丁目何番地まで記されている。路線価は前述したように公示価格の80%と土地基本法で定められているため、路線価から逆算して実勢価格を導き出せる。仮に土地の路線価が1平方メートルあたり20万円の場合、20万÷0.8=25万円が公示価格となり、実勢価格は25万÷0.9=約28万円となる。計算が面倒な人は、路線価は実勢価格の72%という点を踏まえ、20万円÷0.72=約28万円という計算をしてもいいだろう。

路線価の例と路線価の見方

ただし、土地の場所によっては土地の値下がりが激しく、実勢価格が公示価格を下回るケースもあるため注意が必要だ。昨今では市街地の土地が上昇傾向にある中、郊外の土地は横ばいか下落傾向にある。その点を加味すれば、路線価のプラスマイナス10%が実勢価格と考えてもいいだろう。

ちなみに、不動産の仲介業者に価格査定を依頼することもできる。その場合、彼らは上述の情報以外に、過去の取引事例や価格査定マニュアルなどに基づき土地価格を算出する。価格査定マニュアルといっても、自社独自のものから不動産流通近代化センターが作成した公に近いものまである。また、マニュアルといっても情報を打ち込めば価格が出てくるだけのシステムで、文字が羅列した文書等でないものが多い。

以上のように、個人でも土地の価格の概算を調べることは容易にでき、実際の売買価格が適正か田舎を調べることができる。ただし、国が算出する価格は目安でしかなく需要と供給の度合いによって価格が変動する点は忘れずにおきたい。自分で目安を掴むのは騙されない(過剰に不動産会社に利益を渡さない)ためで、やはり正確な価格は不動産仲介業者に依頼することになるのは間違いない。