不動産売買の留意点/注意点

新築分譲マンションの床面積はパンフレットより実際は狭い!

不動産(土地・建物)の面積は法務省の登記記録に記録されているが、建物は増築の登記を行っておらず現状と登記記録が異なることは間々ある。ただ、それよりは現在では主流となりつつあるマンション販売で、販売時と完成後で面積が異なるため注意が必要だ。

まず建物の床面積の計算方法には2種類あることを抑えておく必要がある。1つは壁芯計算と呼ばれる壁の中心線で測った面積、もう1つが内法計算と呼ばれる壁の内側で測った面積だ。当然ながら同じマンションでも、壁芯の方が広く内法の方が狭くなる。壁の厚さにもよるが両者で面積は3~5%程度は異なり、壁芯で75平方メートルでも内法だと70平方メートル前後ということもある。

マンションの面積(壁芯と内法の差)の図解例

建物の登記は基本は実態に近い内法で計算した面積で登記される。マンション販売の場合には、普通に考えて実態に近い内法でパンフレットなどは記載されるべきだ。ただ、新築マンションは建物の完成前に分譲して完売してしまうこともあり、パンフレットや契約書には壁芯計算の面積が記載される。実際には不動産販売会社が少しでも広く見せたい販売上の政策が大きいが。。。

何にせよマンション購入者は、実際の広さがパンフレットよりも狭いことに注意が必要だ。あらかじめ数字より狭いことを知っていれば、感覚的な問題はクリアされる。だが、住宅ローン控除などの節税手法には大きな影響を及ぼす。大半の控除はパンフレットなどとは異なり内法計算の面積が採用される。例えば住宅ローン控除は50平方メートル以上でなければ利用できない。壁芯で50をギリギリ超える程度だと内法で50を超えず、住宅ローン控除が利用できないことも想定される。マンション販売会社から内法計算での新築分譲マンションの面積は出ないため、自分で目測を立てておくことが大切だ。

ちなみにマンションを購入すると固定資産税を納付する必要が出てくるが、その額は内法計算の面積に、共有施設の面積が住居数の数に応じて按分された面積が加算される。建前上は共有施設も資産の1つとみなされるという理由だが、面積が広い方が税収(課税額)も大きくなるのが本音だろう。

以上がマンションの床面積についてだが、マンション購入者はパンフレットの広さよりも実際には狭い点と、マンションの広さには幾つかの広さが存在する点は覚えておきたい。何か不明な点があるなら、不動産販売会社や不動産仲介業者に逐一確認した方が賢明だ。