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アパートローン・不動産投資ローンの借入期間は長いほど有利!?

不動産投資の第一歩が投資物件・収益物件探しだが、せっかく良い物件を見つけても銀行からの融資が実行されなければ意味がない。ただし、その際に物件さえ手に入ればと借入期間(融資期間)を短めにすると、後々の苦労の種になるため注意が必要だ。それでは、どのように借入期間が決まり、なぜ借入期間が長いほどに有利なのか?

まず借入期間の決まり方だが、これは銀行毎に多少の差があれど基本的には投資物件の法定耐用年数によって決まる。法定耐用年数とは、噛み砕いて言えば「法律に定められた建物が建物として耐えうる年数」と言い換えられる。例えば木造住宅の法定耐用年数は22年のため、基本的には22年を超える期間の借入期間は設定されない。もしも築5年の中古の木造住宅であれば借入期間は17年となる。これは建物の構造によって異なるため、下図の法定耐用年数の一覧を参照してほしい。

建物の構造別の法定耐用年数

鉄筋・鉄骨のコンクリート造りであれば耐用年数は50年で、仮に築10年の物件であっても借入期間は40年となり余裕を持った返済計画が立てられる。それに反して木造であれば住宅用で22年と年数が半分で、築10年であれば借入期間は12年となる。3000万円の融資を受けたなら年間300万円以上の返済が必要になる。これは明らかに月々の返済が厳しくなる可能性を秘めている。さらに、法定耐用年数は建物の減価償却で経費に算入できる年数とイコールのため、法定耐用年数が短ければ算入できる経費が数年後に減り、予想だにしない税額を収めるはめになる。借入金の返済+税支払いで窮して、不動産投資を諦めて不動産を売却する、そして負債だけ残るというのは不動産投資の失敗パターンの王道だ。失敗の王道パターンに乗らないかは、物件の構造を選択段階から始まっていると言っても過言ではない。

もちろん、木造だからといって過度に悲観することはない。基本的には、法定耐用年数と築年数の差し引きで借入期間が決まるが、属性や資産構成次第では人によっては例外も発生するためだ。例えば、東証1部上場企業の正社員で勤続20年などであれば、賃貸収入とは別に固定収入があるため借入期間が延びる可能性がある。不動産会社の営業で言うところの「お客様は属性が良いですね」といったところだ。もしくは保有資産が豊富であったり、既に土地持ちで将来的な土地の値上がりが確実に見込める場合なども可能性がある。

それでは、そこまでして借入期間を長くするメリットは何なのか? 借金は可能な限り早く返したいというのが人の常(潜在的な欲求)ではあるが、その欲求を抑えることで不動産投資においては数多くのメリットを生み出す。その1つがキャッシュフローの増大・改善にあるといえる。キャッシュフローは会計上では小難しく解説されることもあるが、簡単にいえば「手元にある現金」と言い換えられる。借入期間が長くなるほど、毎月の借入金の利息・元本の支払いが減るため、手元に残る現金は大きくなる。

それでは、なぜ手元の現金が重要なのか。もしも投資物件に修繕費・リフォームが必要となった場合に手元資金で賄うことができることが大きい。これはプラスαで銀行から借入金を増やすことに限界があることも関係している。どの銀行でも不動産投資ローンには上限があり属性が良好でも限度がある。そのため、追加融資を得ようとするとプロパーローン(個別の追加融資)か最悪はフリーローンということになる。当初のアパートローンよりも高金利になる可能性もあり、毎月の収支が悪化する危険性がある。

また、銀行の融資姿勢の変化や金利上昇に対しても、借入期間の長期化で一定の耐性が期待できる。銀行も商売である以上は、景気動向次第では融資姿勢を硬直化させ、前述の追加融資の有無だけでなく、毎月の返済額の増額にまで手を伸ばす可能性がある。その際に手元資金が豊富であれば当面は乗り切れる可能性がある。また、現在の日本の長期金利はゼロ近辺だが、金利が上昇すれば当然ながら毎月の利息支払い額が増額する。仮に金利が上昇しても、借入期間が長ければ、借入期間がギリギリの場合よりも精神衛生上は有利に事を運べられる。

ここまでで、とにかく借入期間を長くすれば良いと考えてしまいそうだが、現実には借入期間が短い方が逆にメリットがある場合を忘れてはならない。前段ではキャッシュフロー(手元に残る資金)での優位性を記述したが、単純に借入期間が長くなればトータルで支払う利息は大きくなる。その分だけ長期では損をしているとも言えなくもないためだ。そのため、不動産の賃料収入以外に収入があり、そちらに十分に余裕がある(少なくとも数ヶ月は生活を維持しつつ毎月の支払いができる額)なら、わざわざ長期的に借入金が大きくなる借入期間の長期化をする必要はない。また、転勤中に不動産を貸し出しているだけなどの、新たに物件を購入する気が無い場合も借入期間の長期化によるメリットは薄くなる。

以上が不動産投資における借入金の借入期間の長期化だが、どの程度の長さが最低でも必要化は購入した物件や自己資金などによって異なる。自分で計算するか、それが難しいなら不動産会社・FP・銀行などに計算してもらうのが無難だ。また、自分で計算しても不安があるようなら不動産相談会(不動産投資セミナー)などを利用して、他者の意見を含めて総合的に判断することが重要といえるだろう。