明治安田生命 年金果実NEO V3/ 変額年金保険の騰落率・契約初期費用(保険関係費用)などを評価 レビュー

明治安田生命 年金果実NEO V3
オススメ度:
1
保険会社:
明治安田生命
名称:
年金果実NEO V3(5年ごと利差配当付一時払変額個人年金保険)
据置期間:
10年
初期費用:
0%
騰落率:
-0.51% ※設定来
特徴:
標準型と超過給付金型の2つから選べます。

明治安田生命 年金果実NEO V3のマイナスの運用パフォーマンスでは!?

年金果実NEO V3は明治安田生命の変額年金保険で、金融窓口として各県の地方銀行を通して契約でき、三菱UFJでは「収穫名人Ⅲ」、みずほ銀行では「夢の彩園」という名称だが、ほぼ同内容の保険を契約できる。以下、年金果実NEO V3の概要を記載し他社と比較する。

明治安田生命 年金果実NEO V3の仕組み及び騰落率・チャート・年金額など

この保険の最大の特徴は、標準型と超過給付金型の2パターンから選択することにある。標準型は他社の変額年金保険と同様に、据置期間の間は資産配分を見直しつつ運用するタイプで、支払った一時払いの保険料相当額が年金原資として100%の最低保証が付いている。100%の最低保証は安心感があるが、あくまで10年の据置期間を完了した場合であり途中解約となると下回るのは他社と同一だ。

他方、超過給付金型では資産が105%を超える(5%分の運用益が出た)段階で5%分の利益を契約者が受け取り再び運用する。逆に損失が出ても最低保証で年金原資が確保されるという仕組みだ。

仕組み自体は良いのだが、いかんせんパフォーマンスは標準型で2012年の設定来でマイナス5%で、超過型でマイナス3%となっている(他社比較は後述)まったく仕組みが活かしきれていない状況といえる。

次に下図では各社の変額年金保険を、契約できる金融機関窓口・一時払いの最低保険料・加入できる年齢・年金を受け取る(年金支払い期間)・据え置き期間に加え、契約者が負担する手数料などの諸費用で比較した。参考までに苦情率(苦情数÷契約数 ※生命保険協会公表)を算出し、苦情を言う可能性も考慮した。最後に運用パフォーマンスを比較するために、直近1年と設定来(=スタート時)の騰落率を比較して運用益が出ている程度を比較した。

名称 第一F
ステップ
第一F
タッチ
明治安田
果実NEO
メットライフ
ゆうゆう
アクサ
新生涯
ソニー
ダブルアカ
マニュライフ
あした
三井住友
RC
三井住友
しあわせ
金融機関 地銀
メガ
地銀 地銀 ゆうちょ
郵便
三菱UFJ ソニー生命 三菱UFJ
地銀
銀行他 銀行他
保険料 200万~ 200万~ 100万~ 50万~ 200万~ 200万~ 350万~ 300万~ 500万~
年齢 ~80歳 ~80歳 ~75歳 ~75歳 50~80歳 ~73歳 ~80歳 ~80歳 60~80歳
受取期間 3・5・10年 3・5・10年 5・10・15年 終身 終身 5・10・15・20年 20年
終身
10年 終身
据置期間 10年 10年 10年 10~40年 1~40年 16~25年 10・15年 10・15年 1年~
初期費用 0% 0% 0% 4.0% 5.0% 1~5% 5.0% 0% 3.0%
関係費用 2.98% 2.78% 2.40% 1.47% 2.95% 2.48% 2.79% 3.20% 2.75%
苦情率 0.22% 0.22% 0.46% 1.01% 0.65% 1.49% 0.47% 2.31% 2.31%
騰落率
1年
3.20% - -0.43% 5.90% 3.98% 4.97% 5.33% 2.44% 7.53%
騰落率
設定来
0.12% 0.83% -0.51% 19.90% 4.97% 22.70% 12.19% 6.92% 20.89%
変額年金保険の比較表(第一フロンティア生命ステップ・タッチ・明治安田生命 果実NEO・メットライフ生命ゆうゆう・アクサ 新生涯・ソニーライフエイゴン ダブルアカウント・マニュライフあした・三井住友プライマリーRC・しあわせ)

上図で左から3番目の明治安田生命 年金果実NEOだが、最低100万円から申し込みで他社よりも最低金額は若干緩いが、契約可能な上限年齢は75歳で僅かに厳しい。また、据置期間は10年のみで短期・長期で自分の都合に合わせて調整が効かない点はマイナスだ。各費用負担では契約初期費用が0%という点でお得だが、保険関係費用は決して低くはない。

騰落率は標準型の数字を上図に入れているが設定来でマイナスで、直近1年でもマイナスと厳しい。他社が軒並みプラスでワーストのパフォーマンスといっていい。この原因は運用している資産が、他社が日本国債を中心としながら先進国の株式・為替などを組み入れているのに対して、この保険はアメリカ株式・新興国株式・商品指数・米国債に振り分けているのが大きい。特に新興国が運用にマイナス影響を与えている。

結論としては、運用がマイナスである以上は、いかなる優れた仕組みがあっても絵に描いた餅でしかない。これなら他社の変額年金保険を選択した方が賢明だ。ただし、この保険が組み入れているのは他社とは一線を画す内容であり、今後の新興国の経済次第では他社よりも優秀な運用益を出す可能性は否定できない。10年間に新興国ブームが再来すると読むなら、この保険に資産の極めて少ない一部を振り分けておくのも一興だ。とはいえ、それなら保険ではなく投信・ETF・株でも良いが。。。