生命保険 解説・用語集

終身医療保険の保険料はどう支払う?

終身医療保険は一生涯の保障で、昨今では定期医療保険よりも主流になりつつある。ただし、保険料の支払い方は「有期払い」「終身払い」「半額払い」の3通りあるため、どれを選択するかを考える必要がある。

まず「有期払い」だが、これは60歳・65歳といった区切りの年齢で保険料の払い込みは終了し、それ以降は保障だけが残る支払い方だ。退職後には保険料の負担が無くなるメリットがある。次に「終身払い」だが、こちらは死亡するまで保険料を支払うことになる。退職後も保険料は支払う必要があるが保険料は「有期払い」よりも抑えられる一方、長生きするほど支払う合計の保険料は高くなる。そして「半額払い」は中間で60歳・65歳になると支払う保険料が減額されるが保険料自体は支払い続けることができる。それでは、どの支払い方が良いのか?

終身医療保険の支払い方(3パターン)のイメージ

考えるべきポイントは「保険料」「見直すか否か?(医療保険の進化)」「自分の年齢(寿命)」の3つだ。まず保険料だが、有期払いは65歳で保険料の支払いを終えるため、終身払い・半額払いより65歳までに支払う合計の保険料は高くなる。その一方、80歳程度まで長生きすれば有期払いの方がお得になる。日本の平均寿命は男性80歳・女性86歳のため、理屈上は有期払いの方がお得だ。ただし、それまでに死亡すれば割高な保険料を支払ってしまったことになる。

次に「保険の見直し」だが、医療技術は日進月歩で医療保険も併せて日々進化している。そのため有期払いで65歳までに頑張って支払った保険が、自分が70歳になった時点では、いかにも保障の薄い保険になっている可能性がある。そのため、見直しが前提であれば保険料が安い終身払いの方がメリットがある。

そして「自分の年齢(寿命)」だが、もしも現在30代・40代なら終身払いで安い保険にしておき、50代から見直す方が賢明だ。子供がいても50歳程度までに成人となれば、いずれにせよライフプランは組み直す必要があるためだ。一方、現在50代だと判断は難しくなる。この場合には老後の収入が見え始めてくるが、その収入次第での判断となろう。貯金(退職金)に不安があり住宅ローン支払いも残り、完全に年金頼みの生活だとすると強引に有期払いにしてしまう手も考えうる。一方、毎月数千円の出費なら容易にクリアできるなら、終身払いにしても問題はない。

他方、80歳・90歳になった時に65歳で支払い終えた保険が何だったか覚えていられるか?という視点もある。保険会社が「無事ですか?」などと電話をかけてくることは無い(これが保険会社の不払い問題の一因)ため、保険証券という1枚の紙切れのみが頼りとなる。もちろん家族(息子・娘)と情報共有できていればいいが、そうでないなら15年も音沙汰のない保険会社を思い出せるかは不安が残る。その点、終身払いだと通帳を見てもいいし、毎年保険会社から送付される控除証明書を手がかりに保険会社を思い出すこともできる。

以上を総括すると、若いなら見直し前提で終身払いがオススメで、50代に入ったなら退職後の収入を鑑みて不安アリなら有期払いとなる。逆に不安ナシなら終身でも良いが、70歳近くになれば見直しができない可能性が高まるため、商品選択は最後の選択という気概で臨む必要がある。それとは別に、家族と金融商品についての情報共有に不足・不安があるなら、終身払いを選択するのは保険料以上に価値がある選択となるだろう。