生命保険 解説・用語集

医療保険は定期?終身?

医療保険の保険期間は、10年・20年といった保険期間(医療費が保障される期間)が決まっている定期タイプと、一生涯保障の終身タイプがある。前者は定期医療保険や医療保険(定期タイプ)という名称で、後者は終身医療保険や医療保険(終身タイプ)という名称で販売されている。

また、定期タイプは保険期間が決まっている以外に、保険期間が終了しても更新できる「更新型」と、更新型より保険期間が長いが更新が無い「全期型」が存在する。同じ年齢で契約した場合、保険料は更新型は全期型よりも安いが、更新する度に保険料が上昇してしまう。

また、生命保険(終身保険・年金保険)に医療保障特約を付加している場合には、主契約の関係で定期タイプにしているケースが多い。ただ、主契約の契約満了時に全期型に変更できるタイプや、契約の途中から終身タイプに変更できるケースもある。

それでは一生涯保障の終身タイプか、保険期間が定まっている定期タイプのどちらを選択すべきか? さらに更新型か全期型のどちらにするか? 複数のパターンが考えられるが、概ね4つに分かれる。
①定期タイプの更新型にして永遠に更新する
②定期タイプの更新型にして、更新するタイミングで見直す
③定期タイプの全期型にして、期間終了後は保険に加入しない
④終身タイプにする(+見直し?)

まず①だが、完全に思考停止しているようだが、一番手間がかからないのは確かだ。ただ、保険料は更新時に上昇すため負担が大きくなり、さらに医療保険は常に保障内容が進化(健保適用外でも保障される病気が増えたりする)ため、遠い昔に契約した医療保険は自分が80歳になった時点では陳腐化し、有効ではない可能性が高い。

次に②だが、概ね10年程度で見直しタイミングが到来するため、その都度でベストの保険を検討すれば陳腐化するリスクは避けられる。また、若いうちに病気になるとローンが残っていることも考えられるため、入院による家計へのダメージを考慮する必要がある。若いうちは手厚い保障の医療保険にして、60歳以降が見え始めたら終身医療保険にするという考え方ができる。終身よりも保険料は安い点も悪くない。ただ、60歳から見直すと保険料は若い時より高額になり、合計で支払う保険料も増加する。保険料の負担が増加するのがネックだ。

③は検討の余地がある。例えば、50歳で保険期間が20年の定期医療保険に加入するとする。この場合、50歳までに病気になり収入減となる点をカバーするのが主たる目的となる。保険期間後の病気が気になるが、70歳以降に病気で入院・通院となっても、70歳だと治療は高額療養費制度により月額5万円が上限となる。仮に平均寿命の80歳までの10年間に病院を使い倒しても最大で、月額5万×10年分=600万円の貯金で足りる。毎月の年金を考慮すれば300~400万でも十分だ。また、他の生命保険に加入していれば契約者貸付を利用する手もある。ただ、最近は20年・30年などの保険期間が長いものが少ないため、この手が使える年齢は限られてくるのが問題だ。

最後の④は現在は主流となっている選択肢だ。ただし、前述した陳腐化リスクもあり、現在の保険より手厚い保障が欲しい(もしくは不要)となった場合に調整できないデメリットがある。その一方、若いうちから契約すれば保険料は定額のままで、合計保険料も定期医療保険を更新するよりは安い。もちろん前述したような貯金も不要だ。将来的に本当にインフレが継続するなら、安い保険料は将来的には今以上に価値が出てくる。双方を考慮すると、30・40代なら終身医療保険で見直しも考慮しつつ、インフレが本当に起きているかを見極めることになる。50・60代なら終身医療保険を検討するメリットは薄くなってくる。検討するなら一時払い終身医療保険だろう。

以上のことから、年齢で考えて若いなら終身→状況を見極める、50・60代なら定期→保険は不要か、定期は使わず一時払い終身医療保険でカバーという考え方でいいだろう。ただし、医療保険は必要か?でも記述したように若いなら医療保険よりも貯金に注力する手も十分に有効だ。定期医療保険か終身医療保険かを悩む前に、今一度、本当に医療保険は必要なのかを考えることは決して遠回りではないはずだ。