生命保険 解説・用語集

医療保険の給付内容

医療保険の給付内容は、一般的には入院した際に日数に応じて受け取れる入院給付金、手術になった際の手術給付金が知られる。ただし、特約タイプ(生命保険に医療保障を特約で付加した場合)と単体タイプ(医療保障のみの医療保険)で給付内容は若干異なる。一番顕著なのは、特約タイプだと死亡保険金が大きいが、単体タイプだと死亡保障は少額に留まる点だ。

個別に見ていくと、まず「入院給付金」は入院の日数に応じて定額で受け取れる給付金だ。保険契約者は、給付日額(5,000~10,000円が一般的)を設定し、次に保障期間(保障が始まるタイミング)を選択する必要がある。さらに1入院あたりの給付日数と通算給付日数も確認せねばならない。保険会社は入院1回あたりの給付日数を制限しており、さらに通算給付日数(複数回の入院を積み重ねた場合の入院の合計日数)にも制限を設けているためだ。

入院給付金と同様に重要なのが「通院給付金」で、基本保障となっている場合もあるが、特約になっている場合も多い。入院給付金と同様に通院日数に応じて保険金が受け取れる。ただ、注意すべきは単に病気で通院すると受け取れる場合もあるが、入院→退院して一定期間内に(入院の原因となった病気を理由に)通院した場合のみ通院給付金が受け取れる保険会社も多い。つまり、ガンになり手術を受けて、無事に退院したけど抗がん剤治療を続けるために通院をする、といったケースに限定される場合もあるということだ。

次に「手術給付金」だが、一般的には入院給付金の10~40倍が手術給付金として受け取れる。入院給付金が5,000円なら50,000~200,000円になる計算だ。その一方、入院日額とは無関係で一律に設定されているケースもある。また、手術の対象となる項目が多いか少ないかも確認する必要がある(病気によっては、手術が不要と判断され手術給付金が受け取れない場合もあり得る)

前述したように「死亡給付金」は、医療保険単体だと数十万円か100万円程度のため、死後の家族の生活を支えるには不十分だ。他の保険(終身・定期保険)を利用する必要がある。もしくは、これらの保険に医療保障特約を付加するという選択肢も検討する必要が出てくる。その他、厚労省が定める先進医療による治療を受けると受け取れる先進医療給付金、とりあえず入院すれば受け取れる入院一時金なども存在する。

以上のように、医療保険の給付内容は多岐に渡るが、把握しておくに越したことはない。検討時は入院・通院給付金は額も重要だが、どういったケースで保険金請求ができるかを把握しておかないと、いざという時に役に立たない(入院したら保険会社から保険金請求できますよ、と保険会社から先んじて連絡が来ることはあり得ない)。おぼろげでも給付内容を把握しておいて、万が一に備えるのが肝要だ。