オリックス生命 養老保険を比較・評価

オリックス生命 養老保険
オススメ度:
4
保険会社:
オリックス生命
名称:
養老保険
加入年齢:
15~75歳
保障期間:
5~30年
保障内容:
死亡
特徴:
万一の保障と老後資金の形成を両立

オリックス生命の多くの保険はインターネットで申込みが可能で、残りの保険の大半も少なくとも郵送での申込が可能です。ただ、こと養老保険については申込みは対面のみとなっています。そのため保険ショップの窓口を利用するか、オリックス生命の担当者と直接相談する必要があります。

なぜ対面のみなのか理由は不明ですが、保険料・返戻率あたりから多少なりとも理由が伺い知れます。それでは以下でオリックス生命の養老保険の保障内容・保険料・返戻率等を解説し、他社の養老保険と比較していきます。

保障内容

この保険は加入してから満期を迎えるまで、病気等で死亡すれば死亡保険金、事故等で高度障害となれば高度障害保険金が受け取れます。どちらの保険金も受け取らず無事に満期を迎えれば、満期保険金を受け取れます。どの保険金も金額は同一で、保険金額1000万円で契約すれば確実に1000万円が受け取れるとも言い換えられます。

オリックス生命 養老保険の仕組み・保障内容(出典:オリックス生命 養老保険パンフレット)

もしも1000万円で契約して1000万円を受け取れないとすれば、中途解約をした場合に限られます。中途解約すると保険金ではなく解約返戻金を受け取ることになります。解約返戻金は解約時期によりますが、それまでに支払った保険料の総額を基本的には下回ります。上図では30歳契約で40歳時の解約返戻金は309万円ですが、それまでの10年間で支払った保険料は総額340万円です。

特約には災害割増特約・傷害特約・年金支払特約があります。災害割増特約は事故等の災害で死亡・高度障害になると災害死亡保険金が受け取れ、トータルで受け取れる保険金額が増加します。傷害特約は事故等で死亡すると災害死亡保険金が受け取れ、事故等で身体障害状態になると傷害給付金が受け取れます。身体障害状態は高度障害状態よりも保険金が受け取れる条件は緩めです。

年金支払特約は保険金を年金形式で分割して受け取れます。イメージとしては死亡保険金が1000万円なら、毎年100万円ずつを遺族が10年間受け取れるといった具合です。満期保険金1000万円を自分が100万円ずつ10年間受け取るのも可能です。

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保険料・返戻率を他社と比較

この保険は30歳男性・保険金1000万円・保険期間30年だと、2015年までは保険料は月額27080円で満期保険金を受け取ると返戻率は102%でした。それが2022年現在では保険料は月額28370円まで上昇し、返戻率は97.9%に悪化しました。死亡保険金なら59歳と数ヶ月までに死亡すると、返戻率は100%以上になります。

オリックス生命 養老保険の保険料(出典:オリックス生命 養老保険パンフレット)

この保険の返戻率は悪化していますが、他社の養老保険も同様に悪化しています。そのためオリックス生命の養老保険は他社より返戻率は高いのか、下図で他社の養老保険と保険料・返戻率等で一覧表で比較しました。

養老保険の通貨・苦情率・30歳と40歳と50歳の返戻率の比較一覧表(かんぽ生命・住友生命・ソニー生命・オリックス生命・SOMPOひまわり生命・JA共済・明治安田生命・日本生命・大樹生命・ジブラルタ生命・メットライフ生命)※各社の公式HPを元に当社が独自に作成

オリックス生命の返戻率は97.9%で、ソニー生命・SOMPOひまわり生命等々を抑えて最も高い返戻率でトップです。2015年時はソニー生命よりも返戻率は低かったのですが、悪化幅が他社よりも小さかったため結果的にトップに踊り出ました。

メリット

この保険のメリットには満期返戻金がある点が挙げられます。満期保険金は住宅ローン繰上げ返済・子供の学費・老後資金等に活用できます。退職金で住宅ローン完済が見込めなければ繰上げ返済ですし、年金支払特約と組み合わせれば退職後の生活資金に充てるのも手です。保険金額1000万円で年金での受取期間を5年にすれば、毎年200万円が受け取れます。60歳で退職しても公的年金が受け取れる65歳まで生活できる額です。

また、返戻率がトップである点もメリットです。返戻率は100%を切りますが、保険金額1000万円なら実質21万円の支払いで死亡保障が30年間あったことになります。月額換算すれば実質的な負担額は月583円です。ライフネット生命等の定期保険は同条件で保険料は月2031円のため、オリックス生命の方が得だといえます。

ライフネット生命の定期保険の30歳男性・保険金1000万円・30年間の保険料(出典:ライフネット生命公式HP)

さらに災害割増特約・傷害特約があるのもメリットかもしれません。こういった特約が付加できない養老保険が他社にはあるからです。実際の使い勝手としては災害に限定されるためイマイチですが、大地震・津波等を考慮すれば一定の価値があります。

デメリット・注意点

この保険のデメリットは、まずは中途解約すると受け取れるのは解約返戻金となり、保険金を受け取るよりも損失が大きい点が挙げられます。1000万円契約なら満期保険金を受け取れば実質21万円の保険料で済んだのが、40歳で解約すれば30万円、50歳時に解約しても40万円が実質負担額となります。

仮に40歳で解約すると10年間で30万円の実質負担、つまり月額保険料が2500円の定期保険に加入したのと同じです。前述したようにライフネット生命の定期保険の保険料は2031円のため、毎月500円程度の損となり10年で6万円の損となります。

さらに災害割増特約・傷害特約は事故等が対象ですが、交通事故なら相手方の自動車保険の対人補償があります。地震・津波も保障の対象ですが、規模によっては保障の対象外だとされています。地震なら阪神淡路大震災・東日本大震災クラスである必要があります。

評判・苦情

オリックス生命の2020年度(2020年4月~2021年3月)の決算資料によると、全体では新契約件数は48万件で前年比で97%(3%減)でした。数十%の減少をしている保険会社もあるため非常に健闘しています。養老保険単体の新契約件数は不明ですが、保有契約高は微減しているため微妙なところです。契約件数から考えると評判は良いか、少なくとも悪くなさそうです。

ただ、生命保険協会のデータによると、オリックス生命全体に寄せられている苦情数は1.9万件(2020年度実績)と多めです。総顧客数の494万件で割ると苦情率は0.40%で、1000契約のうち4.0件で苦情が発生している計算です。他社が0.2%台のため苦情数は多めで評判は良くないと考えられます。

苦情数に反して、調査・コンサルティング会社のJ.D.パワージャパンの「2021年 生命保険契約満足度調査」では、オリックス生命は20社中は4位でトップ5に入ります。プルデンシャル・ネオファースト生命には養老保険が無いため、顧客満足度はソニーに次いで高いといえます。この調査は保険を新規購入・更新した約6000人を対象としているため、数十人程度の口コミよりも信頼が置けます。

2021年生命保険契約・顧客満足度ランキング(出典:JDパワー2021年生命保険契約満足度調査)

二転三転しますが、オリコンの生命保険会社ランキング(9000人対象の調査)ではオリックス生命は27社中で13位と中位に位置しています。商品内容・加入手続きについては上位の保険会社と比べても遜色ありませんが、アフターフォローと保険料では評価が低めです。大規模調査では結果が割れているレアケースでした。

以上のデータから考えると、養老保険の評判は微妙なところです。オリックス生命全体への顧客満足度・評価も結果は割れており判断しにくいでしょう。ただ、苦情数は保険会社が主力とする保険の種類によって差が出る(投資性のある保険を扱うと苦情数は多め)傾向にあり、2つの大規模調査で差異があるとはいえランキングの下位ではありません。そのためアフターフォロー等で一抹の不安はあれど、評判は決して悪くないといえるでしょう。

総合評価・おすすめか?

結論としては、オリックス生命の養老保険はオススメできそうです。数字面では文句のつけようがなく、評判面でも少なくとも悪くはないからです。用意されている特約の必要性は疑問符が付きますが、無いよりは良いでしょう。

他方で返戻率が100%を切る点に納得ができないようであれば、外貨建ての養老保険も検討する必要があります。その場合にはソニー生命・メットライフ生命の養老保険が候補に挙がります。この保険を検討する前に念のため確認しておいても損はないでしょう。