米国不動産投信ハイ・インカムオープン(愛称:りそなリート)/ 野村アセットマネジメント

米国不動産投信ハイ・インカムオープン(愛称:りそなリート)/野村アセットマネジメント
オススメ度:
2
運用会社:
野村アセットマネジメント
商品名:
米国不動産投信ハイ・インカムオープン(愛称:りそなリート)
地域/決算:
北米 / 年12回(毎月)
対象資産:
不動産投信
基準価額:
4,586円(2012年6月11日付け)
手数料:
3.0%(申込手数料 ※野村証券) 1.62%(信託報酬)

米国不動産投信(りそなリート)は純資産が先細りしており厳しい?

この投信は、米国のオフィスビル・商業施設・住宅などの様々な形態の不動産を運用しているリートへ投資し、それらが賃料収入や売却益で上げた収益から分配金を出している。実際の運用は、ハイトマン・リアルエステートという米国のシカゴに本社を置くアメリカの運用会社が行っている。

過去1年を振り返ると、分配金は毎月分配型で毎月30円~45円を出している。2009年7月~2012年2月までは40円だったが、2012年3月から30円に減額された。

米国不動産投信ハイ・インカムオープン(愛称:りそなリート)の基準価額チャート及び分配金の推移

まず基準価額だが、他社の米国リートとは異なり2009年から大きく動いていない。4,700~5,000円近辺で落ち着いている。累積累積投資額(分配込みの基準価額)は2009年以降に基準価額との差が広がり続けていたが、分配金が減額されてから、一旦は動きが鈍ってきた。上昇幅も限定的だ。

純資産は、微減が続いており、もはや風前の灯といったところだ。他社の米国リートが2011年終わりから2012年現在まで着実に増加している点を考えれば、もはや野村・りそなが販売に積極的ではないのか。

の上位構成銘柄及び用途別構成比率

この投信の組み入れ銘柄だが、他社と銘柄は大きく異なる。例えば、大半の他社の米国リートに悔いれられているサイモン・プロパティやエクイティなどが入っていない。業種の比率も、小売(ショッピングモール・ショッピングセンター)が他社が20~25%の中で、この投信は30%を超えるため、小売への依存度が高めだ。

上位の「スタッグ・インダストリアル」は、工業用テナントや工場等の産業施設の不動産を保有している企業だ。この銘柄も他社の米国リートには見受けられない。株価は、直近5年間で大きく伸びているとは言えず、12ドル~14ドル程度に収まっている。こういう企業が組み入れられていることも、大きな躍進を生んでいない原因とも考えられそうだ。

次に、他社の米国リート型の投資信託(純資産ランキングで上位)と、基準価額、手数料、信託報酬、利益額、分配利回り等を比較した。「分配金-手数料-信託報酬-信託財産留保額 = 利益額」
最後に、基準価額の増減も加味して3年後に100万円が赤字か黒字か?を計算した。その場合、過去1年間の基準価額の増減が今後3年間も繰り返し、分配金も現状維持と仮定した。

計算上での考え方は「前年比で基準価額がマイナス5%とすると、1年後・2年後・3年後も5%ずつ減額した場合、3年分の分配金を足すと元金の100万円を超えているか否か?」
※増減率は1年前の基準価額から現在まで何%下落したか?を表す。一般的な騰落率とは異なる数値。

製品名 フィデリティ
USリート
新光
US-REITオープン
愛称:ゼウス
ダイワ
米国リート・ファンド
ダイワ
US-REIT B
米国不動産投信
ハイ・インカム
りそなリート
基準価額 5,155円 4,274円 5,832円 4,953円 4,586円
増減率 -11.9% -18.6% -16.9% -16.2% -1.7%
手数料 1.7% 2.1% 3.1% 2.1% 3.0%
信託報酬 1.47% 1.60% 1.59% 1.59% 1.62%
信託財産
留保額
0.3% 0.1% 0.3% 0% 0%
分配利回り 21.8% 23.7% 25.2% 25.1% 6.2%
3年分の
利益額
654,251円 710,072円 754,769円 751,815円 186,899円
100万で
3年運用
※基準価額増減考慮
1,317,105円 1,227,306円 1,293,902円 1,318,848円 1,106,951円
最終予想
利回り
9.62% 7.07% 8.97% 9.66% 4.20%
米国リート型の投信の比較表(フィデリティUSリート・新光US-REIT 愛称ゼウス・ダイワ米国リートファンド・ダイワUS-REIT B・りそなリート)

上図の通り、りそなリートは基準価額の下落幅は、他社を圧倒する安定感だが、分配利回りが低く、最終予想では他社に劣る利回りとなった。惜しむらくは分配金が45円から30円に減額された点か。。。

上図には無いが、累積投資額(分配込みの基準価額)の騰落率では、1年でプラス7%と他社の2~3%よりも高めになっており、上向きにはなっているのだろう。だが、この投信の純資産額は55億円程度で、フィデリティやダイワやゼウスが5,000億円程度のため、何とも心もとない上昇ではある。

最後に結論だが、今からの購入はあまりオススメできない。基準価額こそ安定しているが、なにより純資産が増加する気配が見えないのが痛い。各社の交付目論見書にも記載されているが、基本的に毎月分配型の投資信託は、運用の利益に加えて純資産を削って分配金を出している。この投信のように、ここまで純資産が先細りしていると、ここからの分配金の減額も目に見えており、長期の運用をすると利回りが悪化する可能性が非常に高いためだ。

その点、ダイワのUSリートや米国リートは、メガバンクの投信販売ランキングに掲出されるなど、純資産の増加は続いており安心感がある。新光のゼウスも悪くない。純資産は増加していないが、基準価額の安定と分配金のバランスを考えればフィデリティが良い。大人しく他社投信を検討するのが賢明だろう。