楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)毎月分配型/ 楽天投信投資顧問

楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)毎月分配型/楽天投信投資顧問
オススメ度:
1
運用会社:
楽天投信投資顧問
商品名:
楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)毎月分配型
地域/決算:
北米 / 年12回(毎月分配型)
対象資産:
不動産投信
基準価額:
6,415円(2012年6月11日付け)
手数料:
0%(申込手数料 ※楽天証券) 1.40%(信託報酬)

楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)は分配利回りが高いが赤字?

この投信は、米国のオフィスビル・商業施設・住宅などの様々な形態の不動産を運用しているリートへ投資し、それらが賃料収入や売却益で上げた収益から分配金を出している。さらに、ブラジルレアル戦略で為替益も狙っている投信だ。リート部分は、iシェアーズのダウ不動産インデックスに連動しており、概ね米国不動産市場全体の景況に連動する。注意すべきは、他社の米国リートとは異なり、米国リート市場の景気悪化に加えて、対米ドルまたは対ブラジル・レアルで急激な円高が起こると基準価額の急落を招くという点だ。

過去1年を振り返ると、分配金は毎月分配型で160~200円を出している。さらに過去に遡ると、2010年9月までは60円、2010年10月~3月までは150円の分配金と、かなり分配金の変動が激しい。

楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)毎月分配型の基準価額(基準価格)及び純資産の推移チャート

基準価額は他社と異なる動きで現在も下落中だ。現在の円高から考えれば止むを得ないのだろうが、他社が上昇している中で下落しているのは頂けない。。。

ちなみに2011年8月に急降下している原因は、米国不動産ETFが8.5%下落、ドル/円が0.8%下落、レアル/円が2.2%下落、ユーロ円債が11.6%の下落と複数のマイナス要因が働いたためだ。純資産が増加しているのは、あえて逆張りしている投資家がいるためか。。。

楽天 USリート レアルの上位構成銘柄

さて、この投信の上位組み入れ銘柄は、リート連動債が大半を占める。上記でも述べたが、この投信は基本的には米国不動産のETFに投資し、ドル円やレアル円での為替差益を狙っている。それを、さらにユーロ円債にし利益の確保とリスク回避を狙っている。

この構成は他社の米国リートよりも為替の影響を大きく受けてしまうため、現在のドル円が70円後半~80円台の状況では、如実にパフォーマンス悪化に結びつく。逆に円安に働けば大きくプラスに動く理屈だが、累積投資額がMAXだった2012年3月は84円のため道のりは長い。

ブラジルレアルの為替チャート及び金利変動

米国不動産市場は、FRBの低金利政策により、住宅ローン金利は減少し、新築着工件数は底打ちから反発しかけている。また、借家の空室率が減少していることから、賃貸への需要も旺盛なようだ。都市部の住宅価格も下げ止まり、これから借家などへも賃料増の傾向が強まれば、さらなる追い風になりそうだ。

一方で、この投信に大きく影響するレアル相場だが、2011年後半から下落基調にあり、特に2012年に入ってからのレアル安が著しい。2012年5月には2009年以来の安値更新をしており下落が続きそうな雰囲気だ。

この原因は、欧州債務不安からの世界的なリスクオフもあるが、2012年春のブラジル政府の金利引き下げが効いている。さらなる金利引き下げにも積極的な姿勢を打ち出していることから、レアル高への上昇は相当厳しい状況だ。2012年いっぱい、2013年初頭までは厳しいか。

次に、他社の米国リート型の投資信託(純資産ランキングで上位)と、基準価額、手数料、信託報酬、利益額、分配利回り等を比較した。「分配金-手数料-信託報酬-信託財産留保額 = 利益額」
最後に、基準価額の増減も加味して3年後に100万円が赤字か黒字か?を計算した。その場合、過去1年間の基準価額の増減が今後3年間も繰り返し、分配金も現状維持と仮定した。

計算上での考え方は「前年比で基準価額がマイナス5%とすると、1年後・2年後・3年後も5%ずつ減額した場合、3年分の分配金を足すと元金の100万円を超えているか否か?」
※増減率は1年前の基準価額から現在まで何%下落したか?を表す。一般的な騰落率とは異なる数値。

製品名 フィデリティ
USリート
新光
US-REITオープン
愛称:ゼウス
ダイワ
米国リート・ファンド
ダイワ
US-REIT B
楽天
USリート
トリプル・レアル
基準価額 5,155円 4,274円 5,832円 4,953円 6,415円
増減率 -11.9% -18.6% -16.9% -16.2% -33.1%
手数料 1.7% 2.1% 3.1% 2.1% 0%
信託報酬 1.47% 1.60% 1.59% 1.59% 1.47%
信託財産
留保額
0.3% 0.1% 0.3% 0% 0.75%
分配利回り 21.8% 23.7% 25.2% 25.1% 28.5%
3年分の
利益額
654,251円 710,072円 754,769円 751,815円 853,796円
100万で
3年運用
※基準価額増減考慮
1,317,105円 1,227,306円 1,293,902円 1,318,848円 1,145,614円
最終予想
利回り
9.62% 7.07% 8.97% 9.66% 4.64%
米国リート型の投信の比較表(フィデリティUSリート・新光US-REIT 愛称ゼウス・ダイワ米国リートファンド・ダイワUS-REIT B・楽天USリート・トリプルエンジン)

上図の通り「楽天USリート・トリプルエンジン」は、手数料や信託報酬は安いが、ここ1年の基準価額の下落幅はワーストだ。分配利回りこそ28.5%という脅威の数字を叩き出しているが、基準価額のマイナス幅を考慮する黒字幅は少ない。1年前の2011年6月の基準価額は9,590円で、およそ半年前の2012年2月時点では7,467円であった。また、累積投資額を見ても、1年でマイナス12%と他社が総じてプラスに転じている中では、苦境に立たされている印象だ。現在は純資産をガンガン削って、かろうじて分配を維持しているのか。

最後に結論だが、なかなか複雑な商品で、為替も市場環境も全ての要素が上手く噛み合わなければ好転しないため、基本的にはオススメできない。現在も、他社の米国リートが基準価額も、累積投資額(分配込みの基準価額)もプラスに転じている中で、この投信だけが下落している。レアル高円安などの全ての条件が上手くいった際の爆発力に期待してもいいが、日本・アメリカ・ブラジルの3カ国が関連するとなると。。。分配利回りこそ他社よりも高いのだが、そこにとらわれずに相応のリスクがあることは覚えておきたい。そこに納得できるなら、長い目で世界的に好景気が来るのを待てれば保有しても悪くはないかもしれない。