野村 北米REIT投信・レアルコース(北リブ毎)/ 野村アセットマネジメント

野村 北米REIT投信・レアルコース(北リブ毎)
オススメ度:
1
運用会社:
野村アセットマネジメント
商品名:
野村 北米REIT投信・レアルコース(北リブ毎)
地域/決算:
北米 / 年12回(毎月分配)
対象資産:
不動産投信
基準価額:
8,803円(2012年6月11日付け)
手数料:
3.0%(申込手数料 ※大和証券) 1.59%(信託報酬)

野村 北米REIT投信・レアルコース(北リブ毎)は赤字になる可能性あり?

この投信は、米国及びカナダのオフィスビル・商業施設・住宅などの様々な形態の不動産を運用しているリートへ投資し、それらが賃料収入や売却益で上げた収益から分配金を出している。さらに、ブラジルレアルに為替ヘッジしているため、為替益も狙っている投信だ。注意すべきは、他の米国リートとは異なり、米国リート市場の景気悪化に加えて、対ブラジル・レアルで急激な円高が起こると基準価額の急落を招くという点だ。過去1年を振り返ると、分配金は毎月分配型で毎月120円を出している。さらに過去に遡ると、2010年6月までは110円だったが、2010年7月から120円に増額し現在まで至っている。

野村 北米REIT投信(レアルコース)・基準価額及び純資産の推移チャート

まず基準価額だが、他社の米国リートとは異なるが、楽天の米国リート(レアル)と似た動きを見せている。現在の円高から考えれば止むを得ないのだろうが、他社が上昇している中で下落しているのは購入者からすると。。。

純資産も他社とは異なり減少傾向が続いており、風前の灯といったところか。他社が増加をしていることを考えれば、もはや、この投信は投資家には見捨てられたのか、もしくは野村が売る気が無く、別の商品に販売をシフトしたのかもしれない。

野村 北米REIT投信・レアルコース(北リブ毎)上位構成銘柄

さて、この投信の上位組み入れ銘柄だが、これは楽天のようにユーロ円債とは異なり、サイモン・エクイティ・ヘルスケアなどの他社の米国リートにも見られる銘柄が散見される。業種で見ても、リテール(小売)が高く、次いで住宅・オフィスという点も差異はない。

上位の「サイモン」はショッピングモールやショッピングセンター等の不動産が中心、「HCP」は病院などの医療施設が中心、「ボストン」はオフィスビルが中心の企業だ。アバロンベイはNY・ワシントン・カリフォルニア等の都市圏での高級賃貸を主にしている企業で、株価は2009年から上昇し、リーマン前の83ポイントから、2倍近い150ポイントまで上昇しており好調だ。

ブラジルレアルの為替チャート及び金利変動

米国不動産市場は、FRBの低金利政策により、住宅ローン金利は減少し、新築着工件数は底打ちから反発しかけている。また、借家の空室率が減少していることから、賃貸への需要も旺盛なようだ。都市部の住宅価格も下げ止まり、これから借家などへも賃料増の傾向が強まれば、さらなる追い風になりそうだ。

一方で、この投信に大きく影響するレアル相場だが、2011年後半から下落基調にあり、特に2012年に入ってからのレアル安が著しい。2012年5月には2009年以来の安値更新しており、下落が続きそうな雰囲気だ。

この原因は、欧州債務不安からの世界的なリスクオフもあるが、2012年春のブラジル政府の金利引き下げが効いている。さらなる金利引き下げにも積極的な姿勢を打ち出していることから、レアル高への上昇は相当厳しい状況だ。2012年いっぱい、2013年初頭までは厳しいか。

次に、他社の米国リート型の投資信託(純資産ランキングで上位)と、基準価額、手数料、信託報酬、利益額、分配利回り等を比較した。「分配金-手数料-信託報酬-信託財産留保額 = 利益額」
最後に、基準価額の増減も加味して3年後に100万円が赤字か黒字か?を計算した。その場合、過去1年間の基準価額の増減が今後3年間も繰り返し、分配金も現状維持と仮定した。

計算上での考え方は「前年比で基準価額がマイナス5%とすると、1年後・2年後・3年後も5%ずつ減額した場合、3年分の分配金を足すと元金の100万円を超えているか否か?」
※増減率は1年前の基準価額から現在まで何%下落したか?を表す。一般的な騰落率とは異なる数値。

製品名 フィデリティ
USリート
新光
US-REITオープン
愛称:ゼウス
ダイワ
米国リート・ファンド
ダイワ
US-REIT B
野村
北米リート
レアル
基準価額 5,155円 4,274円 5,832円 4,953円 8,803円
増減率 -11.9% -18.6% -16.9% -16.2% -24.2%
手数料 1.7% 2.1% 3.1% 2.1% 3.0%
信託報酬 1.47% 1.60% 1.59% 1.59% 1.59%
信託財産
留保額
0.3% 0.1% 0.3% 0% 0.3%
分配利回り 21.8% 23.7% 25.2% 25.1% 14.8%
3年分の
利益額
654,251円 710,072円 754,769円 751,815円 443,042円
100万で
3年運用
※基準価額増減考慮
1,317,105円 1,227,306円 1,293,902円 1,318,848円 846,176円
最終予想
利回り
9.62% 7.07% 8.97% 9.66% -5.42%
米国リート型の投信の比較表(フィデリティUSリート・新光US-REIT 愛称ゼウス・ダイワ米国リートファンド・ダイワUS-REIT B・野村 北米REIT投信(レアルコース))

上図の通り「野村 北米REIT投信(レアルコース)」は、基準価額のマイナス幅が他社よりも大きいうえに、分配利回りが低いため、基準価額を考慮すると赤字運用になる可能性がある。投資家の購入による純資産の増加も見込めず、厳しい状況が続いている。1年前の2011年6月の基準価額は11,608円で、累積投資額を見ても、1年でマイナス8%と他社が総じてプラスに転じている中で、この投信だけ(正確には楽天もだが)がマイナスになっている。数字上のメリットを探すのは難しい。。。

最後に結論だが、利回りを求める人にも、基準価額が安定した運用を求める人でも、この投信はオススメできそうにない。ただでさえ少ない純資産が先細りを続けていることからも、長期で考えれば、分配金が減額するのも遠い未来ではないだろう。やはり他社のリートを検討した方が賢明だろう。比較的安定している投信ならフィデリティ、とにかく利回りを追求するならダイワのUS-REITが候補になるだろう。