新生・UTIインドファンド/ 新生インベストメント・マネジメント

新生インベストメント・マネジメント/新生・UTIインドファンド
オススメ度:
2
運用会社:
新生インベストメント・マネジメント
商品名:
新生・UTIインドファンド
地域/決算:
インド / 年1回
対象資産:
株式
基準価額:
7,161円(2013年6月24日付け)
手数料:
2.0%(申込手数料 ※マネックス証券) 1.14%(信託報酬)

新生・UTIインドファンドは想定利回りこそ高いが!?

この投信はインド企業の株式に投資し、その配当・売買益等で運用している。ファンド・オブ・ファンズ形式のため、実際の投資先は「Shinsei UTI India Fund」というモーリシャス籍の円建て外国投資法人となる。さて、過去の分配金履歴を振り返ると、2008年から分配金は出ていない。こうなると、これからも期待薄であろうから、基準価額の上昇に全てを賭けるしかない。

PCAインド・インフラ株式ファンドの基準価額(基準価格)及び純資産の推移チャート

まず基準価額だが、他社と似た動きに見えるが、他社と異なり地味に2010年時の数値を超えている点では評価できる。ただ、基本的な動きは同様で、直近ではルピー安が響き、下落基調が始まりつつある。これを乗り切れば投信がスタートした際の価格である1万円が視野に入ってくるが、さすがにそれは厳しな流れだ。

純資産は、最悪期であった2009年に近い水準まで減少している。これから急増するとは考えにくく、現在の200億円から更に減少するようであれば、運用に支障を来たす(本来パフォーマンスが出せない)可能性もある。

PCAインド・インフラ株式ファンドの業種比率及び上位構成銘柄

この投信が投資する株式銘柄だが、銀行がトップで、消費財・情報通信が続く比率で、概ね他社と同様の構成といえる。ただ、エネルギー企業への投資比率が約5%と低い点は特徴といえそうだ。

個別銘柄でトップの比率なのはインドでも有数の銀行で住宅ローンの金融公社であるHDFCが母体である「HDFC銀行」、2番手にはタバコ産業から各種商品に多角化した「ITC」が続く。さらに日本にも進出しているITコンサル会社である「インフォシス(Infosys Technology)」と、個別銘柄でも概ね他社と似通った銘柄が目立つ。取り立てて特徴的な銘柄は上位の構成銘柄には見受けられない。ITC以外は株価は一時期ほどの勢いがなく、業績はともかくとして株価的には苦しいところだ。

今後のインド経済の見通しだが、現在はGDP成長率が鈍化、自動車販売数が止まり気味なことから個人消費も弱く、通貨ルピーの大幅安により貿易赤字拡大と、輸入品の価格上昇による止まりかかったインフレが再燃する可能性が出てきた。もはや良いところを探す方が難しい状況にある。とはいえ、超長期で考えれば、人口の増加、高い識字力とIT知識、依存度の高い農業からの転換(ないしは農業のIT化・大規模化)という対極的な見地からは成長が見込める要素もある。ただ、事実として投資マネーが逃げ始め、次に向かう場所は東南アジア・中米あたりかと彷徨っている。それを考慮すれば超長期で見ないとインド経済は厳しい。

次に、インド株式に投資する投信(純資産ランキングで上位)と、基準価額・手数料・利益(利益=分配金-手数料-信託報酬-信託財産留保額)分配利回り等を比較した。また、分配金のうち実際にファンドの収益が何%かも投信の健全性として比較した。さらに基準価額の増減も加味して3年後に100万円が赤字か黒字か?を計算した。その場合、過去1年間の基準価額の増減が今後3年間も繰り返し、分配金も現状維持と仮定した。計算上は「前年比で基準価額がマイナス5%なら、1~3年後も5%ずつ減額すると仮定し、3年分の分配金を足すと元金100万円はプラスか?」※増減率は基準価額が1年前から何%下落したか?を表す。一般的な騰落率とは異なる数値。信託財産留保額は投信を解約時に発生する約0.5%の費用

商品名 HSBC
インドオープン
イーストスプリング
インド株式
アムンディ
りそなインド
野村
インド株投資
新生
UTIインド
基準価額 12,569円 9,754円 4,934円 14,029円 7,161円
増減率 +22.3% +28.6% +36.9% +24.1% +36.6%
手数料 3.0% 0% 3.0% 3.0% 2.0%
信託報酬 2.00% 1.22% 1.13% 2.00% 1.14%
分配利回り 0.4% -1.2% -1.1% -0.7% -1.1%
3年分の
分配利益額
-18,395円 -41,600円 -63,900円 -56,508円 -59,200円
分配金と収益
比率
\300=\300
(100%)
- - \180<\0
(0%)
-
100万で3年運用
※基準価額
増減考慮
1,810,447円 2,087,504円 2,504,157円 1,854,526円 2,490,153円
最終予想
利回り
21.8% 27.8% 35.8% 22.8% 35.4%
インド株式型投資信託の比較表(HSBCインドオープン・イーストスプリング インド株式・アムンディ りそなインド・野村インド株投資・イーストスプリング インフラ株)

上図で「新生・UTIインドファンド」を比較したが、基準価額の箇所でも記載したように、1年前の2012年6月から2013年6月までの基準価額の上昇幅は他社と比較して、遜色がないどころかトップクラスの上昇を果たしていることが分かる。手数料は平均的だが、信託報酬は安価な部類に入るのも評価できる。大半の株式型の投信と同様に分配金は出ておらず、分配利回りで考えるとマイナスになる。しかし、基準価額の上昇が著しく、過去の実績から計算した利回りでは35%と高い数字となった。この点、他社のインド株式型投信にも言えることだが、昨今のインド経済の情勢から考えるに、2014年以降も同等の利回りになるとは考えられない。今からの購入なら、大幅な赤字・マイナスになる可能性も十分に考慮すべきだ。

結論としては、利回りなどの数字は上出来なのだが、何せ投資するインド経済に不安がある。これからの購入は基本的には見送りか、経済情勢が良好になるまで待ってからの購入を薦めたい。それでも、純資産の減少からして、個人投資家の人気が一巡してしまっている感が強く、人気の流れに乗って購入する人にとっては、既に投資妙味は無いともいえるが。。。