投信・預金/資産運用 解説・用語集

外貨建てMMFが持つ円建てMMFに無いリスクとは?

外貨建てMMF(マネーマネジメントファンド)とは、海外の高格付けの債券などに投資する公社債型投信を意味する。外貨ので換算されるため、MMFと区別して外貨建てMMFと呼ばれる。

外国の債券(外債)の売買益・利息収入等を収益に運用会社が運用しており、一般的には銀行の外貨預金よりも高い利回りを得られるメリットがある。取り扱い通貨は証券会社によって異なるが、大抵は米ドル・ユーロ・豪ドルは取り扱っている。

一般的に円で換算されるMMFは、利回りが普通預金よりも僅かに高い程度だが、元本割れするリスクが非常に低く、引き出しも普通の投信よりも日数を要さない(換金性が高い)特徴がある。外貨建てMMFも同様の性質を持っており、外貨ベースで元本を割れる可能性は極めて低い。

例えば、外貨建てMMFに50,000ドルが入っていれば、50,000ドルを割り込む可能性は低い。さらに外貨預金よりも手数料が為替手数料が安く、外貨定期預金のように解約時の手数料が発生せず、即座に解約できるメリットがある。

ただし、MMFと異なり、外貨建てでは元本を割っていなくとも、円に換算すると為替損が出る場合がある。先ほどの50,000ドルも、外貨建てMMFの購入時には1ドル=100円であったのが、1ドル=90円の円高になれば10円分の為替損が発生する点に注意が必要だ。もちろん、逆に円安となれば為替益を得られる。

そのため、個人投資家としては自分の相場観(為替の見通し)が重要となる。投信としての利用よりは、外貨預金・FXに近いともいえる。長期的な円安を確信していたり、長期で高金利を享受したい場合等の安定的に外貨を積み立てたい場合は、ドルコスト平均法などを利用した方が賢明だ。また、投信ではなく外債を直接購入した際には、その償還金・売却益を外貨を保持しておく口座しても利用価値はある。