投信・預金/資産運用 解説・用語集

ブル・ベア型ファンド

ブル・ベア型ファンドとは、デリバティブ投信の1種で、特定の指数(日経平均など)に連動し、指数の上昇時には2倍以上の上昇、ないしは逆の動き(指数が下落した際に上昇する)を目指す投信を意味する。前者を相場用語で強気の見通しを表すブルから「ブル型ファンド」、後者を弱気の見通しを表すベアから「ベア型ファンド」と呼ぶ。

ブル型ファンドは、例えば日経平均の2倍の値動きを目指す投信は、日経平均先物を200%買い建てて運用されている。2倍の動きとは、日経平均が2%上昇すれば、ブル型ファンドの基準価額は2倍の4%上昇すると言った具合だ。逆に2%下落すると4%の下落をするため、通常の指数連動のETFよりも損失が大きくなる。一方で、ベア型ファンドは先物を売り建てることで運用されている。この場合には日経平均が1%下落すれば、ベア型ファンドの基準価額は1%上昇する。逆に、日経平均が1%上昇すれば、基準価額は1%下落する。特にベア型ファンドは、突発的な天変地異による下落などに備えるリスクヘッジの効果がある。しかし、基本的に株式を発行している企業は、経営陣・社員を含めて収益を上げるべく弛まぬ努力をしており、株価が下がるように仕事をしている人はいない。ゆえに、あくまで一時の相場観で下落を感じた場合や、リスクヘッジで購入するのが妥当な使い方といえる。

個人投資家として注意したいのは、上下動の大きいためハイリスク・ハイリターンである以外に、手数料が2~3%が発生する点、信託報酬(年率1%程度)を考慮すると長く保有するほどに諸経費が膨らむ点に注意したい。また、換金時には諸経費を差し引いた額が利益になる点も覚えておきたい。さらに、先物の動きに連動するため実際の誤差が発生する点に注意したい。例えば日経平均の終値が13,000円だとしても日経平均先物の終値は13,010円が終値になる場合もある。逆に先物だけ僅かに下落していることもある。

現在、ブル・ベアの指数として採用されているものには、日経平均・TOPIXといった日本の株価指数以外にも、米国株・香港株といった海外株式の株価指数などがある。株価指数以外にも、為替でドル円の2倍、債券で米国債の2倍といった投信も存在する。倍率も2倍以上の3倍、4倍も存在する。また、ブルベア型ファンドの人気化に伴い、ETFでもブル型で2倍の動きをする「日経平均レバレッジ・インデックス」や、ベア型の「日経平均インバース・インデックス」がリリースされている。これらのETFなら手数料・信託報酬を抑えられるため、ブルベア型ファンドを検討している個人投資家は併せて検討した方が良いだろう。