日興ピムコ・ハイインカム・ソブリン・ファンド毎月分配型(トルコリラコース)/ 日興アセットマネジメント

日興ピムコ・ハイインカム・ソブリン・ファンド毎月分配型トルコリラコース
オススメ度:
2
運用会社:
日興アセットマネジメント
商品名:
日興ピムコ・ハイインカム・ソブリン・ファンド毎月分配型トルコリラコース
地域/決算:
海外 / 年12回(毎月分配型)
対象資産:
債券
基準価額:
6,445円(2012年10月26日付け)
手数料:
3.0%(申込手数料 ※三井住友信託銀行) 1.60%(信託報酬)

野村エマージング債券投信レアルは神がかった利回りを見せるが?

この投信は、ソブリンという名称が付いているが、一般的に広がってしまった信用度の高いソブリン債ということではなく、ソブリン債(=国債・政府機関債)でも格付けの低く高利回りの債券に投資している。さらにトルコリラで為替ヘッジをすることで為替益・プレミアムで利益を上乗せしている。ちなみに、日興ではリラ以外にも円・レアル・南アフリカランド・米ドル・アジア通貨バスケット等のラインナップされている。販売会社(証券会社・銀行)によるが、通貨間でのスイッチングが可能になっている。さて、過去1年の分配金履歴では毎月150円を出している。2010年12月からキープしているのは、一応は評価できそうだ。

 ピムコハイインカム毎月分配トルコリラの基準価額及び純資産のチャート

まず基準価額だが、一向に止まる気配が無く下落を続けている。僅か2年で半値だが、さすがに直近1年では横ばいを維持しているが、どこまで持ち堪えられるか。累積投資額は上昇しているが、参考指標のJPモルガンの新興国債券の指数との乖離は進んでいる。連動を目標にしているわけではないが、パフォーマンスの鈍化は確実といえよう。純資産は、そんな基準価額を尻目に急増しており、これが分配金を支えている可能性が高い。債券価格が世界的に上昇しているのもあるが、ここまでの増加は新規の個人投資家の買い入れがあった可能性もある。

ピムコハイインカム毎月分配トルコリラ の国別比率・上位構成銘柄

この投信が投資対象としている債券だが、国別ではブラジルがトップで、小差でロシアが続く。3番手以降とは開きがあるが、メキシコ・トルコ・インドネシアが続く。どの国も他社ハイ債型投信にも組み込まれている国で珍しくはない。

個別の銘柄ではブラジル国債がトップで、その後は社債が並ぶ。社債とはいえ、国営企業か国が過半数以上の株式を保有する企業の債券のため、準ソブリン債という位置づけになっている。国でほぼ独占状態となっているメキシコの石油企業・ロシアのガス企業が名を連ねている。その他、コロンビア・ロシアといった資源国の国債も並んでいる。

今後の見通しだが、為替ヘッジをしているトルコについては「大和住銀エマージングボンド・レアル」を参照して欲しい。新興国経済全体としては、先進国とは異なり、高い経済成長率を維持している。財政状況も良好なため格付けは上昇中だが、依然として先進国よりも高い利回りを維持している。しかし、相次ぐ先進国の金融緩和を受けての債券人気もあり、緩やかに利回りは低下している。利回り低下=債券価格の上昇となるため、基準価額にはプラスだが、分配金の元になる利益としてはマイナスで、何とも微妙な状況といえる。

次に、他社の新興国ハイイールド債型の投資信託(純資産ランキングで上位)と、基準価額・手数料・信託報酬・利益・分配利回り等を比較した。「利益=分配金-手数料-信託報酬-信託財産留保額」
加えて、基準価額の増減も加味して3年後に100万円が赤字か黒字か?を計算した。その場合、過去1年間の基準価額の増減が今後3年間も繰り返し、分配金も現状維持と仮定した。
計算上での考え方は「前年比で現在の基準価額がマイナス5%の場合、1年後・2年後・3年後も5%ずつ減額するとすると、3年分の分配金を足すと元金の100万円を超えているか否か?」※増減率は1年前の基準価額から現在まで何%下落したか?を表す。一般的な騰落率とは異なる数値。

商品名 野村
グロハイ債
資源国通貨
三菱UFJ
新興国債券
レアル
大和住銀
エマージングボンド
レアル
新興国債券
ファンド
豪ドル
日興PIMCO
ハイインカム
トルコリラ
基準価額 6,275円 7,836円 7,455円 11,213円 6,445円
増減率 -5.0% -17.6% -13.0% -1.8% -3.4%
手数料 4.0% 3.0% 0% 3.0% 3.0%
信託報酬 0.78% 1.52% 1.48% 1.52% 1.60%
信託財産
留保額
0.5% 0% 0.5% 0% 0%
分配利回り 18.3% 29.1% 16.2% 19.9% 26.3%
3年分の
利益額
505,305円 843,236円 481,787円 566,512円 759,859円
100万で
3年運用
※基準価額
増減考慮
1,361,615円 1,401,780円 1,139,821円 1,512,616円 1,659,200円
最終予想
利回り
10.84% 11.92% 4.46% 14.79% 18.39%
新興国ハイイールド債型投資信託の比較表(野村グローバル・ハイ・イールド債券投信・三菱UFJ新興国債券レアル・大和住銀エマージングボンドレアル・SMBC日興ニューワールド債券・日興ピムコハイインカム・トルコリラ )

上図で「日興ピムコハイインカム・トルコリラ 」を比較したが、基準価額は前述のチャートでは大きく下落しているイメージだが、近1年では6,677円から2012年10月の6,445円までの3%程度しか下落していない。その間に波乱があったかというと、一時は6,200円まで大きく下落していたが、逆に7,000円台まで復活する強さも見せていた。手数料・信託報酬は高額で利益を削るが、分配利回りは26%と驚異の数字を出している。数字を総合すると、最終予想利回りは18%という驚異の数字が出てきた。同様に分配利回りが高い三菱UFJの新興国債券レアルが基準価額を18%近く削っている点を鑑みれば、非常に優秀と言わざるをえない。

最後に結論だが、数字だけ見ると神がかっており、数字重視の人なら購入検討しても良いだろうが。しかしこれは一過性のパフォーマンスと疑念を持った方が賢明だろう。ここまで基準価額を削らずに、これだけ分配金を出せるというのは、構成銘柄でも特色が見受けられないため運用で出した利益とは考えにくい。純資産が増加している点で支えていると考えた方が納得がいく。とすると、個人投資家の新規の買い入れも純資産の増加を支えていたはずで、それが止まれば減配か基準価額を削って分配金を維持するはずだ。どうしても短期でも高分配利回りを堪能したいなら、手数料が3%発生するため4ヶ月程度は保有しなければ手数料は回収できないが、それを計算した上で短期で保有するならおもしろいかもしれない。もちろん、運用資産の中で、この投信に回す資産(アセットアロケーション)は大きくしない方が安全だ。