エマージング・ボンド・ファンド・豪ドルコース(毎月分配型)/ 大和住銀投信投資顧問

エマージング・ボンド・ファンド・豪ドルコース(毎月分配型)
オススメ度:
3
運用会社:
大和住銀投信投資顧問
商品名:
エマージング・ボンド・ファンド・豪ドルコース(毎月分配型)
地域/決算:
海外 / 年12回(毎月分配型)
対象資産:
債券
基準価額:
10,403円(2012年10月26日付け)
手数料:
3.0%(申込 オーストラリア・ニュージーランド銀行) 1.48%(信託報酬)

エマージング・ボンド・ファンド・豪ドルは数字は優秀だが他社に一歩劣る!

この投信は、高利回りの新興国の債券に投資し、豪ドルでの為替ヘッジで利益を上げて毎月分配金を出している。大和住銀では他に、円・南アフリカランド・トルコリラ・ニュージーランドドル・ブラジルレアルでヘッジした投信もある。特に豪ドルコースは、2011年後半に世界経済が欧州不安で景気後退している中で、急激に純資産を伸ばし、500億円から1,500億円へと一気に増加した。同時期から株・為替から債券へと資金が大量に流入しており、債券型の投信も個人投資家から再注目されたこともある。さて、過去1年の分配履歴では毎月180~150円を出している。2012年8月から150円に減配された。万全の状況とはいえそうにない。

エマージングボンドファンド・豪ドルコース(毎月分配型)の基準価額・純資産のチャート

まず基準価額だが、他社のハイ債型でレアルで為替ヘッジの投信より下落は持ち堪えている。2012年前半に大きく下落しているが、これは中国経済の失速が明らかになった時期でもあり、中国が最大の貿易国であるオーストラリア経済にも懸念が広がり、豪ドルが対円で84円から74円まで下落し、対ドルでも1.04ドルから0.95ドルまで豪ドル安が進行したのが大きい。しかし、その後は徐々に持ち直しを見せて累積投資額(分配込みの基準価額)でも2012年の高値を超える位置まで伸びている。

純資産はというと、2012年1月から上下はあるが微増している。近々の数ヶ月は低迷しており、ここから減少が始まるようであれば、150円からの更なる減配も視野に入ってくるだろう。

エマージング・ボンド・ファンド・ブラジルレアルコース(毎月分配型)の上位組み入れ銘柄・国別比率など

上位の組み入れ銘柄だが、基本的に同社の他通貨でヘッジしている投信と差異は無い。さて、債券種別では8割が国債を占め、それを中南米・欧州・アジアに分けているのが主といえる。国別ではロシアが高比率で、次いでブラジル・メキシコ・トルコといった新興国が続く。ただし、5番手には先進国のアメリカが位置している。これはアメリカ国債の格付けがダブルAである以上、国債ではなく特殊債か社債を組み入れていると分かる。

上位の個別銘柄では、ロシア・ブラジル・フィリピン等の新興国の国債が名を連ねている。格付け無しのイラク国債が入っているのは珍しい。国債でないのは南アフリカの「ESKOM HOLDINGS」で、同社は国営の電力会社で南アフリカの電力の95%を占めている独占企業だ。また、南部アフリカ諸国に電力も販売しており、アフリカ全土でもシェアは45%と非常に高い。

今後の見通しだが、新興国経済は先進国とは異なり、高い経済成長率を維持している。2012年に東京有楽町で開かれたIMF(国際通貨基金)の総会で発表された「世界経済見通し」では、成長率は若干の下方修正があったものの、新興国の経済規模の合計は2013年には先進国の合計を上回ると予想している。そうした状況で新興国債券の格付けは上昇しているが、依然として総じて高い利回りを維持している。しかし、欧州を中心とした経済失速から相次ぐ先進国の金融緩和を受けて債券人気に火が付いたこともあり、緩やかに利回りは低下しているのも事実だ。利回り低下=債券価格の上昇となるため、基準価額にはプラスに働くのだが、分配金の元となる運用益としてはマイナスに働いてしまう。また、各国によって経済情勢が異なるため、一概に状況を一括りにはできない。各国の状況については、ロシアは「三菱UFJ新興国債券ファンド/レアル」メキシコは「三菱UFJ新興国債券ファンド/豪ドル」インドネシアは「SMBC・日興ニューワールド債券レアル」を参照してほしい。

次に、他社の新興国ハイイールド債型の投資信託(純資産ランキングで上位)と、基準価額・手数料・信託報酬・利益・分配利回り等を比較した。「利益=分配金-手数料-信託報酬-信託財産留保額」
加えて、基準価額の増減も加味して3年後に100万円が赤字か黒字か?を計算した。その場合、過去1年間の基準価額の増減が今後3年間も繰り返し、分配金も現状維持と仮定した。
計算上での考え方は「前年比で現在の基準価額がマイナス5%の場合、1年後・2年後・3年後も5%ずつ減額するとすると、3年分の分配金を足すと元金の100万円を超えているか否か?」※増減率は1年前の基準価額から現在まで何%下落したか?を表す。一般的な騰落率とは異なる数値。

商品名 野村
グロハイ債
資源国通貨
三菱UFJ
新興国債券
レアル
大和住銀
エマージングボンド
レアル
SMBC
日興ニューワールド
債券
新興国債券
ファンド
豪ドル
基準価額 6,275円 7,836円 7,455円 6,973円 11,213円
増減率 -5.0% -17.6% -13.0% -10.2% -1.8%
手数料 4.0% 3.0% 0% 3.5% 3.0%
信託報酬 0.78% 1.52% 1.48% 0.99% 1.52%
信託財産
留保額
0.5% 0% 0.5% 0% 0%
分配利回り 18.3% 29.1% 16.2% 19.7% 19.9%
3年分の
利益額
550,305円 873,236円 486,787円 589,832円 596,512円
100万で
3年運用
※基準価額増減考慮
1,361,615円 1,401,780円 1,139,821円 1,280,113円 1,512,616円
最終予想
利回り
10.84% 11.92% 4.46% 8.58% 14.79%
新興国ハイイールド債型投資信託の比較表(野村グローバル・ハイ・イールド債券投信・三菱UFJ新興国債券レアル・大和住銀エマージングボンドレアル・SMBC日興ニューワールド債券・新興国債券ファンド豪ドル)

上図で「大和住銀エマージング・ボンド・豪ドル」を比較したが、まず基準価額は1年前の10,433円から2012年現在の10,433円まで、1%に満たないマイナス幅は優秀だ。その間の上下では、一時は9,700円台に乗せたこともあるが、再び10,000円台に乗せる強さを見せている。分配利回りも15%とと決して他社に見劣りする数字ではない。ただし、手数料・信託報酬は高めだ。総合して最終予想利回りを出すと12%前後で三菱UFJの新興国債券ファンド豪ドルに及ばないが、レアルで為替ヘッジしている投信よりは優秀な数字だ。

結論としては、数字は優秀でオススメはできそうだが、完全に数字重視であれば、同様に豪ドルで為替ヘッジをかけている三菱UFJ新興国債券ファンドの方がベターだ。この投信の方が基準価額の安定では僅かに優秀ではあるが、その差で2%近く利回りの差が発生する予想で、それなら三菱UFJ~の方を選んだ方が得策だ。現在保有中の人は、もちろん当面は保有を続けたい。現在は累積投資額で上を狙っている状態で、どこまで伸びるか見届けてから乗り換えの是非を検討すべきだろう。ただし、分配金の減額があった点、純資産の増加に一服感が出たことから、これからパフォーマンスが伸び悩む可能性もある。その点も留意して、利益が確定した段階で手を引くという考え方もできる。