東日本復興応援株式ファンド/ BNYメロン・アセット・マネジメント・ジャパン

BNYメロン・アセット・マネジメント・ジャパン/東日本復興応援株式ファンド
オススメ度:
3
運用会社:
BNYメロン・アセット・マネジメント・ジャパン
商品名:
東日本復興応援株式ファンド
地域/決算:
日本 / 年1回
対象資産:
株式
基準価額:
15,433円(2013年5月9日付け)
手数料:
3.0%(申込手数料 ※いちよし証券) 1.75%(信託報酬)

東日本復興応援株式ファンドは復興応援という意味合いなら!

この投信は、震災後の復興事業及び震災後のインフラ再生などに貢献するであろう企業の株式に投資し、その売買益や配当で運用している。この点、うがった見方をすると復興特需で業績が伸びる企業に投資しリターンを狙うだけとの疑念も浮かぶが、投信は基本的に中長期で株式を保有するため、それにより投資された企業が株を設備投資などに回すことができ、それが震災復興に一役買うことになるとも考えられる。さて、過去の分配金履歴を振り返ると、2011年冬のスタートのため実績は1回だが、その際には分配金は0円であった。利益を出そうと考えるなら値上がり益を狙うべきだろう。

東日本復興応援株式ファンドの基準価額(基準価格)及び純資産の推移チャート

まず基準価額だが、他社の特定業種の日本株に投資する投信とは設定来の期間が短いため、一概には比較できない。だが、他社投信とは異なり、スタートの1万円を切ったことが数回しかなく、その意味では設定時に購入した人は含み損を抱えた時期が少ないという点で評価できる。

純資産は2011年から100~150億円を推移し、特に増減が見られない。これは、もはや主な販売先であるいちよし証券が販売に力を入れていないと考えるべきか。。。

東日本復興応援株式ファンドの上位構成銘柄及び業種比率

肝心の、この投信が投資している企業だが、まず業種比率では電気機器がトップで、次いで機械・サービス・建設・小売が続く。この6業種で約75%を占めている。復興といえば建設関連が真っ先に浮かぶのだが。。。

次に個別の株式銘柄に目を向けると、トップは建築作業用のくぎでトップシェアの「マックス」、次いで投資比率が高いのが、自動ドア・産業用センサーでトップクラスの「オプテックス」となっている。というわけで、結局は復興に向けた建設に寄与する電気機器・機械への投資比率が高かったと分かる。

次に、日本株式市場の見通しだが、2012年末からの日銀の金融緩和による全体的な株高基調にあり、この投信が投資する銘柄も、その流れを受けて上昇したといえる。業績からいえば、復興特需での業績拡大期待は既に終了しており、むしろ2013年は復興特需からの反動減が大きい。そのような中でも株価は上昇しているのは、この投信にはプラスだが、普通の相場感からすれば、いささか不可解でもある。そう考えると、相場全体の活況が終わりを迎える頃(早ければ夏の選挙後、遅ければ1年後)には、この投信の急速な伸びも終焉を迎える可能性が高い。

次に、他社の日本株で特定業種に投資する投信(純資産ランキングで上位)と、基準価額・手数料・利益(利益=分配金-手数料-信託報酬-信託財産留保額)分配利回り等を比較した。また、分配金のうち実際にファンドの収益が何%かも投信の健全性として比較した。さらに基準価額の増減も加味して3年後に100万円が赤字か黒字か?を計算した。その場合、過去1年間の基準価額の増減が今後3年間も繰り返し、分配金も現状維持と仮定した。計算上は「前年比で基準価額がマイナス5%なら、1~3年後も5%ずつ減額すると仮定し、3年分の分配金を足すと元金100万円はプラスか?」※増減率は基準価額が1年前から何%下落したか?を表す。一般的な騰落率とは異なる数値。信託財産留保額は投信を解約時に発生する約0.5%の費用

商品名 トヨタグループ
ファンド
ニッセイ
日本勝ち組
大和
金融新時代
損保ジャパン
グリーン
BNYメロン
東日本応援
基準価額 18,245円 15,312円 5,991円 9,006円 15,433円
増減率 +83.6% +69.8% +102.9% +61.8% +52.8%
手数料 1.5% 1.5% 3.0% 0% 3.0%
信託報酬 0.69% 1.00% 1.52% 1.50% 1.75%
分配利回り 0.3% 0.3% -1.5% -1.5% -1.8%
3年分の
分配利益額
-6,103円 -5,815円 -75,600円 -50,000円 -87,500円
分配金と収益
比率
\180=\180
(100%)
\200=\22
(11%)
- - -
100万で3年運用
※基準価額
増減考慮
6,187,281円? 4,889,324円? 8,283,296円? 4,188,384円? 3,482,309円?
最終予想
利回り
83.5%? 69.7%? 102.3%? 61.1%? 51.5%?
日本の特定業種に投資する投資信託の比較表(トヨタグループ株式ファンド・ニッセイ日本勝ち組・大和 金融新時代・損保ジャパン グリーン・東日本復興応援株式ファンド)

上図で「東日本復興応援株式ファンド」を比較すると、基準価額は1年前の2012から約50%の上昇をしている。十分優秀な数字だが、いかんせん他社投信の伸びがすさまじく、どうしても見劣りしてしまう。また、手数料は3.0%と高額、信託報酬も1.75%と高額だ。特に手数料は3%という数字自体は小さくみえるが、仮に1000万円分を購入すれば30万円の手数料が徴収されることになる。それを取り戻すためには、当然ながら基準価額が3%の上昇が必要になる。3%と侮らない方がいいだろう。分配金は0円のため、分配利回りでは諸経費分だけマイナスとなるが、国内株式の投資する投信では分配金0円も珍しくない。以上を加味した最終予想利回りでは約50%と高い利回りとなった。しかし、2014年以降も同様に上昇するかは大いに疑問だ。日経平均・トピックスから考え、今からの購入なら2013年中は10%で上出来、最悪はマイナス20%は覚悟しておいた方が精神衛生上は良さそうだ。

結論としては、はっきり言って数字面では他社投信に劣り、投資する魅力は薄い。また、投資している銘柄も、これからの内需型が多く円安効果も少なく、大きなパフォーマンス増は見込めず厳しい。しかし、主目的が復興の応援であるということを思い出せば、復興に少なからず貢献しながらも、資産運用という意味では十分に役割を果たせそうとも考えられる。また、これからの円安進行に歯止めがあった場合、もしくは外的要因による円高への揺り戻しがあった際には、逆に内需型の株式で構成されているのはプラスに働く可能性も否定できない。もちろん、前述した通り相場が終われば下落が待っているため、必ずマイナスも視野に入れて投資するなら悪くはない投信といえるだろう。