ノムラ 日本株戦略ファンド(愛称:BigProject-N(BPN))/ 野村アセットマネジメント

野村アセットマネジメント/ノムラ 日本株戦略ファンド(愛称:BigProject-N(BPN))
オススメ度:
1
運用会社:
野村アセットマネジメント
商品名:
ノムラ 日本株戦略ファンド(愛称:BigProject-N(BPN))
地域/決算:
日本 / 年2回
対象資産:
株式
基準価額:
5,993円(2013年3月25日付け)
手数料:
2.0%(申込手数料 ※大垣共立銀行) 1.90%(信託報酬)

ノムラ 日本株戦略ファンドよりもTOPIXのETFを購入した方がマシ!?

この投信は、日本企業の株式に投資し配当・売買益で運用している投信だ。特に他社と異なるのは3つの区分を設けて運用している点だ。3つの区分とは大中企業で株価が割安な「大中型バリュー」、大中企業で今後の利益成長が見込める「大中型グロース」、新興市場などから将来の株価の成長が見込める「小型ブレンド」の3つだ。同様の大仰な説明が目論見書に記載されているが、実際には株式市場全体を表す指数TOPIXと連動しており、特にオリジナリティのある構成とはいえまい。また、分配履歴を振り返っても分配実績は2010年から0円で、基準価額の上昇が全ての投信といえる。

ノムラ 日本株戦略ファンドの基準価額(基準価格)及び純資産の推移チャート

まず基準価額だが、TOPIX(トピックス)に連動した動きで、2012年末からの日銀の金融緩和・安倍ノミクスで上昇している。ここまで連動するならわざわざ2%の手数料を支払って購入せずとも、トピックスに連動するETFを購入した方が手数料も安価でオススメだ。さらに厳しいことを言わせてもらえば、基準価額がピークだった2006年にはトピックスに劣るパフォーマンスになっている。これでは何のためにプロに任せているのか、本末転倒と言わざるを得ない。それを受けてか純資産は減少の一途を辿っている。もはや野村も新たに販売して資産を集める気は無いだろう。

ノムラ 日本株戦略ファンド (愛称:BigProject-N(BPN))の業種比率及び上位構成銘柄

この投信が組み入れている株式だが、トピックスと連動するなら記述するのもスペースの無駄とも言われかねないが、一応記述する。まず市場では東証1部が95%を占めており一定程度の規模を誇る企業への投資が大きいと分かる。業種別では電気機器・輸送機器といった日本を代表する"ものづくり"の業種が並んでおり、輸出企業に依存しているのも間違いなさそうだ。

個別銘柄では業種比率とは異なり三菱UFJ・三井住友FGといった銀行が並び、次いでロケットから個人向けエアコンまで製造する三菱重工、タイヤで国内トップのブリヂストン、ダイエーも傘下に収め小売業で国内トップの座を磐石にしたセブン&アイ、電電公社の時代から国内の通信を牛耳る日本電信電話(NTT)と有名企業が名を連ねている。

今後の見通しだが、2013年春現在ではTOPIXで1,000ポイントを上回り、日経平均で12,000円を超えている状況で、今後も上昇するか、はたまた調整して上昇か下落、もしくは下落するかは悩ましいところだ。無責任に上昇下落を予想するのは簡単だ。安倍ノミクスは本物で、インフレ(リフレ)が起こり円安から企業の業績は上向きになり会社員の給料は増額、雇用も増大し個人消費は盛り上がり、さらには米国・中国から新興国まで堅調に景気回復し、欧州問題もECBの力で沈静化する、といったシナリオを描けば日経平均15,000円も夢ではない。

しかし、熟慮して欲しいのは下落局面の方だ。株価が上昇すれば証券会社等が「持たざるリスク」という株・投信を持たなければ損をするということも囁かれるが、そんなものは個人投資家には存在しない。これからも上昇にかけるなら小額に留めて、下落した場合の損失を最小限にするのが鉄則だ。2003年以来で日経平均が12,000円を超えていた期間は3年間だけだ。残り7年は言うまでもない。もしも今が米国を含めて金融緩和バブルで、それに乗るとしても最長3年での退却が必須だろう。投資金額を抑え、投資期間を絞れば資産防衛には完璧に近いことは覚えておきたい。

次に、他社の日本株型の投資信託(純資産ランキングで上位)と、基準価額・手数料・利益(利益=分配金-手数料-信託報酬-信託財産留保額)分配利回り等を比較した。また、分配金のうち実際にファンドの収益が何%あるかも投信の健全性として比較した。

さらに基準価額の増減も加味して3年後に100万円が赤字か黒字か?を計算した。その場合、過去1年間の基準価額の増減が今後3年間も繰り返し、分配金も現状維持と仮定した。計算上は「前年比で基準価額がマイナス5%なら、1~3年後も5%ずつ減額すると仮定し、3年分の分配金を足すと元金100万円はプラスか?」※増減率は基準価額が1年前から何%下落したか?を表す。一般的な騰落率とは異なる数値。信託財産留保額は投信を解約時に発生する約0.5%の費用

商品名 フィデリティ
日本成長株
ファンド
野村
日本ブランド株
レアル
野村
日本高配当株
通貨セレクト
JPM
ザ・ジャパン
ノムラ
日本株戦略
BigProject
基準価額 12,522円 9,405円 14,442円 36,517円 5,993円
増減率 +21.3% +3.8% +44.4% +59.3% +25.1%
手数料 2.0% 3.0% 3.5% 0% 2.0%
信託報酬 1.53% 0.88% 0.88% 1.70% 1.90%
分配利回り -1.5% 11.9% 7.4% -1.7% -1.9%
3年分の
分配利益額
-65,900円 321,375円 182,873円 -51,000円 -82,000円
分配金と収益
比率
- \100=\100
(100%)
\100=\100
(100%)
- -
100万で3年運用
※基準価額
増減考慮
1,718,957円 1,438,539円 3,195,061円 3,992,224円 1,874,061円
最終予想
利回り
19.7% 12.8% 47.2% 58.6% 23.2%
日本株型(国内株式型)投信の比較表(フィデリティ日本成長株 ファンド・野村 日本ブランド株レアル・野村 日本高配当株 通貨セレクト・JPMザ ジャパン・ノムラ日本株戦略BigProject)

上図で「ノムラ 日本株戦略ファンド」で比較したが、基準価額は1年前の4,792円からは25%の上昇をしている。ただし、重ねてになるが同期間でTOPIXも同等の比率で上昇している。さらに、他社の日本株式型の投信と比較すると、為替ヘッジで利益を上乗せしているもの、東証1部だけでなく新興市場のベンチャー企業に投資している投信よりも、上昇しているとはいえパフォーマンスは悪い。また、手数料は2%、さらに専用チームを設けているためか信託報酬は高額だ。以上を加味すると最終予想利回りは約23%となった。他の債券型投信と比較すれば信じがたい利回りだが、日本株式型の投信の中では明らかに見劣りする。さらに、2013年から2014年にかけても同等のパフォーマンスが維持できるとは限らない。トピックスと連動するなら、現在のトピックスの1000ポイントから700ポイントまで30%の下落はあり得る。この投信も市場次第で利回りが2~3%、最悪はマイナスになる可能性も十分にある。

結論としては、もう薄々と感じているかもしれないがオススメしない投信だ。高い手数料と信託報酬を払ってトピックスと同等のものを購入するメリットはない。前述のチャートの項でも記述したが、ピーク時にはトピックスを下回る時も存在する。これならほぼ完全にTOPIXに連動するETF(上場投資信託)を購入した方がお得だ。ETFを購入したくないなら、日本株式型の投資信託なら、前述したTOPIXのパフォーマンスに為替益を上乗せする投信(野村日本高配当株投信)か、ベンチャーにも投資して利益を上乗せする投信(JPMザ・ジャパン)を検討した方が最大限の利益を狙える。もちろん、この2つの投信の場合には、さらに為替・市場リスクを抱える点は承知しておきたい。