新光ブラジル債券ファンド / 新光投信

新光投信・新光ブラジル債券ファンド
オススメ度:
2
運用会社:
新光投信
商品名:
新光ブラジル債券ファンド
地域/決算:
ブラジル / 年12回(毎月分配型)
対象資産:
債券
基準価額:
7,700円(2012年9月3日付け)
手数料:
3.0%(最安申込手数料 ※東日本銀行) 1.62%(信託報酬)

新光ブラジル債券ファンドは見た目の分配金の利回りに騙されるな!

この投信は、高金利のブラジルレアル建ての債券に投資して分配金を出している。特に2014年にサッカーのW杯、2016年に五輪開催される予定で、その経済効果が見込める。一時ほどの過熱感は無いが、以前として投資家からの人気は高い国だ。人口統計でも、確実に高齢化が進行している日本、地味に日本に続いて高齢化が始まっている米国と異なり、ブラジルは2億の人口のうち5-29歳が半数を占めている。今後の国力を考えれば優位なのは間違いない。また、分配履歴を振り返ると、過去1年では毎月145円で、2010年まで遡っても145円で、よくぞ金額をキープしているといえる。

新光ブラジル債券ファンドの基準価額(基準価格)及び純資産の推移チャート

まず基準価額だが、他社同様に2010年から下落傾向が続いており、2012年現在と比較すれば30%近く下落している。この下げ幅は他社より明らかに大きい。145円という高分配金をキープしているが故の代償か。

純資産は他社と異なり、2011年末から再び増加に転じている。その間にも基準価額は下落しているのだが、純資産は減らしていない。さらに分配金も減額していない。単純に販売会社が販売促進したのかもしれない。未だ人気は健在ということか。

新光ブラジル債券ファンドの構成内訳

組入比率では、ブラジル国債のうち割引国債の比率が高い。利子を差し引いた額で購入でき、満期に額面通りの金額を得て差額が利益になる。利付債は利子が固定か変動かの差異があるが、満期まで利子を受け取り満期には満額で償還される。

注目したいのは他社に無い債券として、物価連動国債は、物価上昇(インフレ)が起これば元本と利息が増加する国債だ。ただし、満期になってもインフレ度合いで満額にならない場合もある。好調な新興国はインフレになる傾向が強く、全てが上手くいっている間は元本・利息の2重の増加が、この投信のパフォーマンスを大きく上昇させるが、インフレ率が下がれば2重苦になる可能性がある。

ブラジルの政策金利・インフレ率など

ブラジル経済の見通しだが、2011年までの利上げ政策から、2012年は伸びが鈍いる景気の下支えのため、追加緩和による利下げをしている。その成果か、インフレ率は下落傾向から2012年後半に反発している。ただし政策結果ではなく、2012年5月にブラジル北東部で起きた干ばつで野菜・小麦などの食料価格が高騰したためとも考えられる。安易に好景気からのインフレとはいえまい。

また、レアルの為替レートだが、2012年はレアル安が進んだ。輸出がメインのブラジル経済にはプラスだが、この投信にはマイナス要因だ。さらに外国人のブラジルへの投資も、リスク回避志向から以前ほどの熱気が無い。再びの熱気を期待しての好機と捉えるには、好材料が少なすぎて微妙だ。。。

次に、他社のブラジル債券型の投資信託(純資産ランキングで上位)と、基準価額、手数料、信託報酬、利益額、分配利回り等を比較した。「利益額=分配金-手数料-信託報酬-信託財産留保額」

最後に、基準価額の増減も加味して3年後に100万円が赤字か黒字か?を計算した。その場合、過去1年間の基準価額の増減が今後3年間も繰り返し、分配金も現状維持と仮定した。
計算上での考え方は「前年比で基準価額がマイナス5%とすると、1年後・2年後・3年後も5%ずつ減額した場合、3年分の分配金を足すと元金の100万円を超えているか否か?」
※増減率は1年前の基準価額から現在まで何%下落したか?を表す。一般的な騰落率とは異なる数値。

商品名 大和投信
ブラジル
ボンド
レッグメイソン
ブラジル国債
ファンド
新光投信
ブラジル債券
ファンド
大和投信
ブラジル
レアル債
HSBC
ブラジル債券
オープン
基準価額 8,005円 6,883円 7,700円 8,243円 6,333円
増減率 -9.2% -17.2% -25.9% -9.0% -8.0%
手数料 1.5% 2.0% 3.0% 3.0% 3.0%
信託報酬 1.40% 1.62% 1.26% 1.40% 1.62%
信託財産
留保額
0% 0% 0% 0% 0.5%
分配利回り 16.6% 12.3% 21.3% 16.1% 13.5%
3年分の
利益額
482,633円 349,822円 610,122円 452,031円 371,131円
100万で
3年運用
※基準価額増減考慮
1,230,787円 917,036円 1,017,269円 1,206,212円 1,150,425円
最終予想
利回り
7.17% -2.85% 0.57% 6.45% 4.78%
ブラジル債券型投資信託の比較表(大和投信ブラジル・ボンド・オープン毎月決算型・レッグメイソン ブラジル国債ファンド・新光投信ブラジル債券ファンド・大和投信ブラジル レアル債・HSBCブラジル債券オープン)

上図の通り「新光投信・ブラジル債券ファンド」は、基準価額を他社よりも圧倒的に削っている。1年前の2012年9月の基準価額が9,056円で、現在の7,700円まで25%も下落している。分配金を除けば、元金の運用資産の4分の1が削られたことになる。ただし、その分配金は利回りで21%と他社の分配金を物ともしない数字で、信託報酬も最安値で安い。以上を加味すると、3年後にはかろうじて1万円程度はプラスになっている予想だ。もちろん、受け取った分配金を食費などで使用していれば、1万円を超える分はマイナスになっていることは言うまでもない。また、最終予想利回りは0.5%は、赤字になるLMのブラジル国債よりはマシなレベルだが、他社の5%以上の利回りを考えれば、とても優秀とは言えない数字だ。

最後に結論だが、これからの購入はオススメできそうにない。見た目の分配金の利回りに騙されないようにしたい。毎月受け取れる分配金こそ多いが、実際には資産運用としては大した成果を上げていない可能性が高い。前述したように、分配金を食費などに消費すれば、ほぼ貯金を切り崩しているのと同等だ。また、実際には分配金は、利子所得と見なされ税金が20%分などが発生するため、下手をすれば税金を加味すれば赤字になっている可能性もある。これでは資産運用とはいえまい。大和やHSBCのブラジル国債ファンドを購入した方が賢明だろう。