LM・ブラジル国債ファンド(毎月分配型) / レッグ・メイソン・アセット・マネジメント

レッグ・メイソン・アセット・マネジメント/LM・ブラジル国債ファンド(毎月分配型)
オススメ度:
1
運用会社:
レッグ・メイソン・アセット・マネジメント
商品名:
LM・ブラジル国債ファンド(毎月分配型)
地域/決算:
ブラジル / 年12回(毎月分配型)
対象資産:
債券
基準価額:
6,883円(2012年9月3日付け)
手数料:
2.0%(最安申込手数料 ※愛知銀行) 1.62%(信託報酬)
コンセプト:
ブラジル・レアル建てのブラジル国債に投資。

LM・ブラジル国債ファンド(毎月分配型)では赤字の資産運用になる?

この投信は、高金利のブラジルレアル建ての債券に投資して分配金を出している。特にブラジルは2014年にサッカーのワールドカップ、2016年にはオリンピックが開催される予定で、道路・スタジアムなどのインフラ設備の整備もあり経済発展が確実に見込まれている。そのため数年前から日本投資家からの人気も高く、大手銀行の投信販売ランキングにもブラジル関連投信が頻出していた。分配履歴を振り返ると、過去1年では毎月120~80円と幅があり、2012年6月から100円から80円に減額され厳しい状況が続いている。

LM・ブラジル国債ファンド(毎月分配型)の基準価額(基準価格)の推移チャート

まず基準価額だが、2010年5月からズルズルと下げており止まらない。2012年2月に一度は山を迎えて8,500円まで回復したが、その後はレアルが50円近辺から40円を割り込み大きな下落を招いた。基準価額だけでなく累積投資額も、数年前の12,000円台に逆戻りしており、ファンド設立当初から保有している人は別にして、資産運用としては成功とはいえない状況だ。
左図には無いが、純資産も2011年末から増加がストップしており、投資家からの人気は一巡したと考えていいだろう。今後の、さらなる分配金の減額が危惧される。

LM・ブラジル国債ファンド(毎月分配型)の国別上位構成銘柄

上位組入銘柄は、当然ながらブラジル国債が全てを占める。少々分かりにくいが、BRAZIL NTN-Fはブラジル国債で固定利付債の意味で、固定された利子を受け取りつつ満期に額面通りの金額を受けとれる。逆にBRAZIL LTNは割引国債を表しており、利子分を差し引いた額で購入でき、満期に額面通りの金額を得て、その差額が利益になる。前者は長期保有、後者は短期で運用される傾向にある。どちらの債券もデフォルトしない限りは損は無いが、為替要因や債券を満期前に売却する時の金利状況で価格が上下する。これらの要因が、この投信のパフォーマンスを左右することは覚えておきたい。

ブラジルの個人向け貸し出し金利・貸し倒れ率など

ブラジル経済の見通しだが、個人消費を引っ張っている自動車登録台数は伸びており、ブラジル政府の減税や金利低下策が功を奏している。一見好調に見えるが、政府の施策がストップすれば消費には陰りが見える可能性が高い。以前からの懸念である銀行の貸し倒れ率は高水準のままで、無茶な融資が続くようなら、米国のサブプライム問題のような事態が起こらないともいえない。
また、レアルの為替レートが、2012年に入ってから終盤に差し掛かった現在も、以前の水準にはほど遠い安さで、政府もレアル安を推進しており、この投信にはマイナス要因だ。主産業である鉄鋼石の価格が下落している中では、政府も少しでもレアル安にして輸出額をカバーしたいのだろうが。。。

次に、他社のブラジル債券型の投資信託(純資産ランキングで上位)と、基準価額、手数料、信託報酬、利益額、分配利回り等を比較した。「利益額=分配金-手数料-信託報酬-信託財産留保額」
最後に、基準価額の増減も加味して3年後に100万円が赤字か黒字か?を計算した。その場合、過去1年間の基準価額の増減が今後3年間も繰り返し、分配金も現状維持と仮定した。
計算上での考え方は「前年比で基準価額がマイナス5%とすると、1年後・2年後・3年後も5%ずつ減額した場合、3年分の分配金を足すと元金の100万円を超えているか否か?」
※増減率は1年前の基準価額から現在まで何%下落したか?を表す。一般的な騰落率とは異なる数値。

商品名 大和投信
ブラジル
ボンド
レッグメイソン
ブラジル国債
ファンド
新光投信
ブラジル債券
ファンド
大和投信
ブラジル
レアル債
HSBC
ブラジル債券
オープン
基準価額 8,005円 6,883円 7,700円 8,243円 6,333円
増減率 -9.2% -17.2% -25.9% -9.0% -8.0%
手数料 1.5% 2.0% 3.0% 3.0% 3.0%
信託報酬 1.40% 1.62% 1.26% 1.40% 1.62%
信託財産
留保額
0% 0% 0% 0% 0.5%
分配利回り 16.6% 12.3% 21.3% 16.1% 13.5%
3年分の
利益額
482,633円 349,822円 610,122円 452,031円 371,131円
100万で
3年運用
※基準価額増減考慮
1,230,787円 917,036円 1,017,269円 1,206,212円 1,150,425円
最終予想
利回り
7.17% -2.85% 0.57% 6.45% 4.78%

上図の通り、レッグ・メイソンの「LM・ブラジル国債ファンド(毎月分配型)」は、まずは基準価額のマイナス幅が他社よりも大きいが、そのわりに分配利回りが低い。2012年6月から分配金が80円に減額された影響もあるだろう。もし以前のように120円であれば、パフォーマンス結果は大きく異なっていただろう。また、手数料は安価な方だが、信託報酬は高額だ。以上を加味した最終予想利回りはマイナスの赤字になる計算だ。これからのブラジルの経済情勢次第では、さらに分配金が減額する可能性があり、そうなれば目も当てられない数字になるだろう。

最後に結論だが、最終予想利回りが赤字になる可能性がある以上はオススメできない。前述したように分配減額も怖い。他社、例えば利回りがトップの大和ブラボは、同じようにブラジル国債で運用しているが、分配金はキープしている。同じような経済情勢に曝されていることを考えれば、パフォーマンス成果は運用会社の腕次第とも考えられ・・・。やはり、利回りがトップの大和ブラボ、手数料等は高額だが利回りは高い同社のブラジルレアル債、基準価額の減少を抑えているHSBCあたりのブラボを検討したいところだ。