アジア好配当株ファンド / 大和住銀投信投資顧問

大和住銀投信投資顧問/アジア好配当株ファンド
オススメ度:
1
運用会社:
大和住銀投信投資顧問
商品名:
アジア好配当株ファンド
地域/決算:
アジア / 年4回(3ヶ月に1回)
対象資産:
株式
基準価額:
6,248円(2013年1月22日付け)
手数料:
3.0%(申込手数料 ※大和証券) 1.36%(信託報酬)

アジア好配当株ファンドは同じリスクを背負うなら数字の良い他社投信を!

この投信は日本を除くアジア(香港、韓国、中国等)の企業の中で、配当利回りの高い銘柄を中心に投資していき、基準価額の上昇と分配金を出すことを狙いとしている。決算は年4回で、分配金を年金の補填に充てようと考える年金受給世代には物足りないかもしれない。ファンドは2007年にスタートしており、2013年で6年目を迎え、アジア・オセアニアに投資する投信の中では歴史は長い部類に入る。分配金は2012年中は1回あたり50円を出している。2010年まで遡っても50円をキープしており一応は安定している。

大和住銀投信投資顧問のアジア好配当株ファンドの基準価額(基準価格)及び純資産の推移チャート

まず基準価額だが、設定した2007~2008年はサブプライム問題からのリーマンショックが発生と厳しい年で、いきなり大きく下落している。その後は持ち直すことができず、5,000~6,000円近辺を推移している。他社の同タイプの投信が大きく上昇している点からすると、明らかに物足りない。基準価額の代わりに累積投資額(分配込みの基準価額)が伸びているわけでもなく非常に厳しい動きだ。

純資産も目減りが止まらず、さすがに近年は減少が止まって見えるが、もはや購入した個人投資家が放置しているだけの可能性もある。このままでは平行線を辿るか、堪えきれずに減配になるのは時間の問題だろう。

大和住銀投信投資顧問のアジア好配当株ファンドの上位構成の国別比率・銘柄比率

組み入れ銘柄だが、国別比率では香港がトップ、次いで台湾・中国・韓国が続く。並んでいる国名は他社と似通っているが、香港がトップというのも珍しい。業種では銀行・電気通信・エネルギーが高比率だ。業種でも他社と似通っているが、エネルギー企業の比率は高めだ。

個別銘柄では日本でもお馴染みのサムスンがトップで、2番手は中国で5億人の契約者数を誇る世界最大規模の通信会社である「チャイナ・モバイル」、3番手は世界トップ10にも入る半導体製造メーカーの台湾積体電路製造(TSMC)が続く。サムスンの株価の伸びは大きく、TSMCも悪くない。この投信のパフォーマンスにはプラスに寄与していそうだ。

この投信が投資しているアジア各国の経済情勢だが、まず香港は中国本土から人の流入や、一時期の不動産バブルなどのような新興国特有の諸問題は抱えつつも、2012年からの株価である香港ハンセン指数は非常に堅調で、2000ポイントを割り込む場面もあったが、2013年に入ってからも2300ポイントを超えて伸びており企業の環境は悪くはない。ただし、中国本土は成長率が7~8%と鈍化しており、株価も低調だ。大きな輸出相手国であるヨーロッパ経済が本格的な回復に入らないと厳しそうだ。その中国が最大の輸出国である韓国も、GDP成長率も低調で成長が鈍化してしまっている。貿易でも輸出入が共にマイナスと悪化しており、経済状況は芳しくない。中国経済の回復に伴い底から脱しつつあるが、ウォン高も足かせになってしまっている。総じて、本格的な市場全体での株価上昇は時間を要すると予想される。

次に、他社のアジアオセアニアに投資する海外株式型の投資信託(純資産ランキングで上位)と基準価額・手数料・信託報酬・利益(利益=分配金-手数料-信託報酬-信託財産留保額)・分配利回り等を比較した。加えて、基準価額の増減も加味して3年後に100万円が赤字か黒字か?を計算した。その場合、過去1年間の基準価額の増減が今後3年間も繰り返し、分配金も現状維持と仮定した。計算上は「前年比で基準価額がマイナス5%なら、1~3年後も5%ずつ減額すると仮定し、3年分の分配金を足すと元金100万円はプラスか?」※増減率は基準価額が1年前から何%下落したか?を表す。一般的な騰落率とは異なる数値。

商品名 岡三
アジア・オセアニア
好配当
野村
アジア好配当
投信
JPモルガン
日興JFアジア
ディスカバリー
大和住銀
アジア好配当
ファンド
三井住友
アジア・オセアニア
好配当
基準価額 4,944円 9,062円 12,095円 6,248円 6,599円
増減率 +15.9% +39.2% - +13.3% +32.5%
手数料 3.0% 2.5% 3.5% 3.0% 1.5%
信託報酬 1.05% 1.10% 1.67% 1.36% 1.58%
信託財産
留保額
0.5% 0.5% 0% 0% 0.5%
分配利回り 17.2% 3.3% -1.7% 1.8% 2.1%
3年分の
利益額
479,617円 99,421円 -85,100円 25,231円 41,707円
100万で3年運用
※基準価額
増減考慮
2,037,297円 2,769,208円 1,480,888円 2,368,439円
最終予想
利回り
26.7% 40.4% 13.9% 33.3%
アジアオセアアニア型の株式投信の比較表(岡三 好配当成長株オープン・野村アジア好配当投信・JPモルガン日興アジア ディカバリー・大和住銀アジア好配当ファンド・三井住友アジアオセアニア好配当)

上図で「大和住銀・アジア好配当株ファンド 」を比較したが、基準価額は1年前の2012年1月の5,513円から現在の6,248円までプラス13%と、他タイプの投信と比較すれば優秀な数字を出している。ただし、ことアジア・オセアニアの株式に投資する投信の中では、明らかに物足りない伸び率だ。岡三のアジオセは毎月分配型である岡三のアジオセ投信と同等の数字で、年1回~年4回の他の投信には3倍近い差が出ている。伸び率では他社に完敗といえる。

また、手数料・信託報酬も安価というわけではなく、決算が少なく分配金も大きくないため、分配利回りも低い。最終予想利回りでも13%と低い。もちろん13%という数字自体は投信全体からすれば憂愁な数字ではあるが、新興国の株式に投資するという高めのリスクを負っているわりには、何とも心もとない。良好な市場環境が数年も続くとは考えにくく、来年以降も同様のパフォーマンスが維持できるかは疑問なため、実質の最終予想は3~8%が妥当な線といえそうだ。

結論としては、相応のリスクを背負っているわりには利回りの魅力が他社に劣るため、これからの購入はあまりオススメできない。他社と似通った銘柄構成ということもあり、同じリスクを背負うなら、パフォーマンスが良好な他社投信、岡三か野村あたりを選んだ方が賢明だ。経済環境が微妙な時期にスタートしたJPモルガンの同タイプの投信も悪くない。

現在保有中の人は、解約・乗り換えのタイミングを何時にするかが問題だが、現在の伸びを考えると、累積投資額で1万円辺りには届く可能性があるため、もう少し様子見をしてもいいかもしれない。もしくはアジアの市場環境が良好な限り保有するのも手だろう。