家族・親族の死亡後の手続き・届出

家族・親族が亡くなったら3つの書類の手続きが必要!

家族・親族が亡くなると、どんな人でも少なからず動揺し、頭が真っ白になる人もいるだろう。ただ、家族・親族が亡くなったなら即座に行う手続きが幾つかある。その中の代表例が、死亡診断書・死亡届・埋火葬許可申請書(死体埋火葬許可申請書)の3つの書類の受け取りと提出だ。世帯主が死亡したなら世帯主変更届も必要になる。

死亡届と埋火葬許可申請書は死亡日から7日以内が期限だが、埋火葬申請書を提出して埋火葬許可証を役所に交付してもらわないと葬式・葬儀ができないため、速やかに提出する必要がある。また、世帯主変更届も14日以内が期限だが、通常は手間を省く意味でも、一般的には死亡届と同時に提出する。

それでは1つずつ整理していくが、まず家族・親族が亡くなったら医師が作成する死亡診断書を受け取ることになる。死亡診断書は、こちらから何も言わずとも死亡当日か翌日には渡してくれる。この死亡診断書と死亡届は一体になっているため、基本的には死亡届を役所まで取りに行く必要は無い。

死亡届と死亡診断書の記入例イメージ

ちなみに事故・事件等で病気以外で死亡した場合には、医師は死亡診断書ではなく死体検案書を作成するが、これは死亡診断書と同じ用紙が使われる。病気で死亡しても用紙に死体検案書と記述されていても気にしなくていい。

医師から死亡診断書を受け取り、死亡届の各欄に必要事項を記入したなら、次は同時に提出する埋火葬申請書の作成に取り掛かるわけだが、その前に死亡届・死亡診断書のコピーを取って置くのをオススメしたい。

遺族年金の請求などの死亡後の諸々の手続きは、死亡届記載事項証明書を利用することになるが、手続きによってはコピーでも手続きが可能な場合がある。死亡届記載証明書は役所の窓口まで取りに行かねばならないため、いちいち役所に行く手間を省く(そうでなくても役所に行く回数は増えるかもしれないが)意味でもコピーは取っておいた方が賢明だ。

次に埋火葬許可申請書だが、病院に無いことが多いため役所まで取りに行くことになる。死亡届の提出先は故人(死亡者)の本籍地・死亡地か、届出人の所在地の役所に提出することになるため、提出時にその場で入手して記入してしまえばいい。記入する必要事項は特に難しいことはないが、一類感染症はエボラ・ペストなどの特殊な感染症のため、大抵は「その他」に丸を付ける点には注意したい。また、申請者の印鑑が必要なため忘れずにおきたい。

埋火葬許可申請書の例イメージ

死亡診断書・死亡届と埋火葬許可申請書を提出すると、埋火葬許可証が受け取れる。これで葬式・葬儀(正確には火葬・埋葬)が可能となる。許可証は火葬時に火葬場に提出して火葬の旨を記述して返却してもらい、埋葬時に墓地の管理者に提出する。死亡届からの書類の提出と受け取りは、面倒であれば葬儀社に任せてもいいが、葬儀社が決まっていないなら自分で行うことになる。

また、死亡届の提出によって死亡届記載事項証明書を役所で発行してもらえる。しかし、証明書の発行には手間もさることながら、手数料も必要となる。前述したように、コピーで対応できる手続きもあるためコピーで無駄な出費を抑えた方がいい。

ちなみに死亡届のコピーでは、かんぽ生命の簡易保険の支払い請求はできないため、かんぽ生命関連の手続きが見込まれる場合には、あらかじめ証明書の発行をしてもいいかもしれない。証明書は死亡届を提出してから約1ヶ月は死亡届を提出した役場で発行でき、それ以降は本籍地を管轄する役所で発行することになる。遠方であったりする場合には、郵送で発行という手もあるが注意しておく必要がある。

最後に世帯主変更届だが、これは死亡したのが世帯主の場合に提出が必要となる。死亡したのが世帯主ではなかったり、新しい世帯主が明確であれば提出は不要だ。例えば、夫が亡くなり妻と子供(学生)が残された世帯員であれば、普通は妻が世帯主となるため変更届の提出は不要だ。

しかし、妻と子供(社会人)が残されたなら、子供が世帯主になれるため変更届けが必要となる。特に子供が世帯主になることで勤め先から住宅手当がもらえたり、妻(子供からみれば母親)を扶養家族にすることで節税をしようと考えるなら、安易に妻を世帯主にせずに一考する必要がある。もちろん、少し時間を置いてからの変更も可能なため、とりあえず妻にしておくというのも手だ。ちなみに世帯主変更届は、住民移動届の用紙で行う自治体が大半のため、役所に行って世帯主変更届という名称の用紙が無いことに戸惑わないようにしたい。

以上が死亡後に速やかに必要な書類の提出・受け取りだが、その他に死亡・相続について不明点・疑問点が出てくることもあるだろう。ネット・書籍などで情報収集しても腑に落ちないなら、葬儀社に尋ねるか各自治体の窓口に問い合わせるといいだろう。また、死後事務委任契約を結んでいれば、弁護士・行政書士・司法書士が死後の手続きを済ませてくれる。まだ亡くなる前で1人暮らしをしている高齢者なら検討の余地があるだろう。