贈与/相続の基礎知識

一口に親族といってもどこまでが親族になるのか?

相続においては、時として親族の範囲が問題となってくるが、どこからどこまでが親族になるのだろうか。民法では「6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族」が親族と規定されている。以下で1つずつ用語を抑えていく。

まず血族だが、血縁のある人(自然血族)と血縁と同視される人(法定血族)が血族とされている。親子は元より兄弟姉妹は自然血族となり、養子と養親・養子と養親の血族は法定血族となる。

次に配偶者だが、婚姻(結婚)によって夫婦となった人の一方から見た相手方が配偶者となる。つまりは夫から見た妻、妻から見た夫が配偶者となる。配偶者は血族でも姻族でも親等がない点に注意が必要だ。

そして姻族だが、配偶者の一方からみた相手方の血族を意味する。つまりは夫から見た妻の両親、妻から見た夫の兄弟などが姻族となる。あくまで配偶者を通してのため、夫の両親と妻の両親には姻族関係は無い点に注意が必要だ。以上を踏まえた上で下図の親等表を見てほしい。

親族・姻族の表

冒頭で記述したように「6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族」が親族となるが、ちょうど上図が親族ということになる。圧倒的に血族側の範囲が広いわけだが、これは親等という考え方が親族関係の濃淡を表したものであるためだ。当然ながら配偶者とは家族であり親族ではあるが、濃淡でいえば薄くなるため範囲は狭まる。

ちなみに離婚をすれば、配偶者とは親族では無くなるため配偶者側の姻族関係は消滅して親族ではなくなる。さらにいえば、離婚ではなく死別であっても配偶者関係は消滅するため姻族関係は消滅する。

一方で自然血族関係は基本的に死亡以外で消滅することはないが、失踪宣告を受けた人は死亡とみなされるため、自然血族関係は消滅する。ただし、養子縁組によって作られた法定血族関係は死亡以外に離縁・縁組の取消によっても血族関係は消滅する。

以上が親族の範囲についてだが、相続においては被相続人となるのは配偶者と一定範囲の血族となる。親等の遠い人が相続する可能性は極めて低いが、親族という範囲は覚えておいて損は無いだろう。相続について何か不明点があれば、ネット・書籍などで調べる他、税理士の電話無料相談や、自治体主催で無料参加できる相続セミナー・相談会を利用するのも手だ。