葬式・葬儀の基礎・流れ・手続き・予算など

葬儀を扱っている業者・団体は葬儀会社だけではない!?

家族・親族が臨終すると葬儀・告別式が気になり、様々な葬儀会社を調べる人もいるだろうが、葬儀を取り扱っているのは葬儀会社(葬儀専門業者)だけではない。その他にも選択肢があり、各々に特徴がありメリット・デメリットがある。それでは、具体的にどのような選択肢があるのか?

葬儀を扱っている業者・団体は大まかに分けて「葬儀会社(葬儀専門業者)」「互助会」「各組合」「自治体」の4つがある。日本消費者協会の調査によると、葬儀の依頼先の割合としては葬儀社が全体の約70%を占め、互助会が約14%、組合が約10%、その他が約6%となっている。葬儀会社が大半を占めるが、別の選択肢もレアケースとは言い難い。

葬儀の依頼先の比率(葬儀社・互助会・組合・その他・寺・町内会)

それでは、まず「葬儀会社」という選択肢についてだが、葬儀を専門的に扱っている業者といっても千差万別で大小さまざまある。地元密着の小さな葬儀社から、関東圏では有名な葬儀社から、全国チェーンで展開している葬儀社もある。最近ではティアのように株式市場に上場した葬儀社もある。

葬儀会社を選択する場合には、地元密着の葬儀会社であれば近隣の寺院・斎場との付き合いも長く、さらには地域特有の慣習にも詳しいため、普通に無難に葬儀をあげたいなら非常に安心感がある。逆に、家族葬・直葬は対応するが無宗教葬などの自由度が高い葬儀だと対応力に不安が残る。また、料金体系も旧態依然としたものであれば比較的高くつく可能性も否定はできない。

他方で全国チェーンであれば、家族葬・直葬は元より無宗教葬などへの対応は柔軟で、パッケージ・セットとして提案してくれる。料金体系も葬儀一式+実費といった形で明確化(それでも不明瞭な部分は残るが)しているため安心感がある。

イオンの葬儀の料金体系例

しかし、元が葬儀社で身売りしてフランチャイズした場合を除けば、地域毎の慣習・しきたりに疎い可能性がある。例えば、葬儀の順番は「通夜→葬儀+告別式→出棺→火葬」が一般的だが、東北・中国・九州地方の一部では「通夜→出棺→火葬→葬儀+告別式」の順に行う骨葬が常識だったりする。また、葬儀は元より忌中の間は、肉を食べないという慣習・風習がある地域もある。何も知らず通夜ぶるまい等で肉を出せば、親戚・参列者から揶揄される可能性もあるわけだ。心配なら親戚・世話役から事前に情報を得ておくのが重要となる。

次に「互助会」だが、今では聞き慣れない人もいるかもしれない。互助会とは冠婚葬祭を行うことを目的にした会員制の会社で、一定額を毎月支払って積み立てれば結婚式や葬儀を行うことができる。会員制の組織で、さらに一定額を積み立てて運用していることもあり、一般的な価格よりも2~3割は安く済むメリットがある。

ただし、途中解約すれば手数料が必要で、積み立て期間の満期前に死亡すると不足額を納入する必要がある。さらに、積立金で賄えるのは祭壇・棺などの一式だけで、それ以外の火葬や骨壷は別料金だったりするケースもある。さらに互助会は経産省から認可を受けているものの、あくまで公共団体ではなく民間企業である点を忘れずにおきたい。互助会の会員が減少して破綻することもある。一応、掛け金の半額は国が補填することになっているが、掛け金がパーになる可能性も否定はできない。

次に「各組合」だが、代表格は生活共同組合(生協・コープ)と農業共同組合(JA)だろう。いずれも提携している葬儀社が葬儀を行うが、会員であれば一般的な料金よりも2~3割は安くなるメリットがある。ただし、利用するには会員となり会員費を支払う必要がある。さらに各地域毎に独立に近い形で運営されているため、サービスにバラつきがある点がネックだ。

コープ共済の葬儀サービスのコプセ

最後が「自治体」だが、日本全国の各自治体では区民葬・市民葬を福祉サービスとして展開している。自治体と葬儀社が取り扱い契約を結んでおり、その葬儀社を利用することになる。葬具・葬送が統一価格となっており、民間の業者に依頼するよりも自治体を経由した方が大幅に安くなるメリットがある。最も安いプランだと15~20万円で葬儀が行えるため、予算重視なら有力な選択肢になる。

市民葬・区民葬の料金とイメージ

注意点としては、居住する地域の区民葬・市民葬を利用する体だが、結局は自治体が提携する葬儀社が行うため、サービスの質にバラつきがある点が挙げられる。市民葬を依頼したら、結局は地元で有名な葬儀社になったというパターンもありえる。また、料金も自治体が統一価格を指定している内容以外はオプション価格となり、葬儀を豪華にするほどに料金は高くなっていく点も注意が必要だ。

このように様々な選択肢があるわけだが、総括すれば無難で当たり障りの無い葬儀なら地元の葬儀社、家族葬・無宗教葬なら全国チェーンの葬儀社も検討候補になる。ある程度は料金も重視したいなら、会員である前提だが互助会・生協・JAを検討してもいい。予算を最重要視するなら市民葬・区民葬が検討候補の筆頭になるだろう。

以上が葬儀を扱う業者の選択肢についてだが、その他に死亡・相続について不明点・疑問点が出てくることもあるだろう。ネット・書籍などで情報収集しても腑に落ちないなら、葬儀社に直接尋ねてみるか葬儀・葬式セミナーなどに参加してみるといいだろう。まだ亡くなる前であれば、生前に葬儀について指示するか家族と話し合っておくのがいいだろう。