葬式・葬儀の基礎・流れ・手続き・予算など

4つの葬儀形式(葬儀スタイル)のメリットとデメリットとは!?

昨今では、かつてのようなベーシックな葬儀(後述する一般葬)は減っており、比較的小規模な葬儀である家族葬・直葬が好まれる傾向にある。これは生活スタイルの変化や核家族化、さらには近隣住民との関係性の希薄化などが原因と考えられる。

鎌倉新書(月刊仏事の出版社)が実施した2014年の調査によると、参列者31人以上の「一般葬」は全体の42%、30人以下の「家族葬」が32%、「1日葬」が9%、「直葬」が16%となった。この調査は全国の葬儀社を対象にしており、都市部の葬儀社によっては50%以上が家族葬と答えたケースもあったようだ。

一般葬・家族葬・1日葬・直葬の割合・パーセンテージ・比率及び地域間の差

冒頭で記述したように、より核家族化が進み地域間の交流が減っている都市部、特に関東圏では小規模な葬儀が好まれているようだ。少し古いが2006年の第一生命の調査では、65歳以上の人で「家族だけ」「身内と一部の友人だけ」で見送ってほしい人は約60%を占めている。今後も小規模な葬儀が好まれる傾向は続くのは間違い無いだろう。

しかし、流行りの家族葬といえどもメリットとデメリットがある点に注意が必要だ。それでは他の葬儀形式・スタイルを含めて、どのようなメリット・デメリットがあるのか?

まず最もベーシックな「一般葬」についてだが、一般葬は故人の知人・友人に広く知らせて参列してもらう葬儀だ。通夜では僧侶の読経と共に参列者に焼香を上げてもらい、通夜ぶるまいで会食を行う。さらに翌日には葬儀・告別式が行われ、読経・焼香を経て最後の別れの後に出棺して火葬へと向かう。

一般葬の流れ(臨終・遺体搬送と安置・通夜・葬儀と告別式・出棺と火葬)

この一般葬のメリットは、故人の知人・友人に広く知ってもらい参列してもらうことで、「誰かが知らされていなかった」「自分は故人の死を知らなかった」といったケースを回避できる点がある。さらに、家族も知らなかった故人がお世話になった人に礼を言ったり、逆に故人がお世話をした人から御礼を述べられる機会ができる。故人の人徳の賜物が、数多くの参列者を通じて感じられるだろう。

他方でデメリットとしては、やはり金銭的な負担が第一に挙げられる。2日に分けて斎場を押さえて飲食物などを準備するのは相当な金額になる。地域などによる差はあるが、お布施など諸々を込みで200~300万円程が必要なケースが多く、まず数十万円で済むことは考えられない。斎場の広さ、参列者の数によって変動するため安く済むこともあるが、金銭的な負担が大きめなのは間違いない。

逆に故人の人付き合いや年齢(高齢であれば同級生も亡くなっている可能性がある)によっては、別の意味で参列者数に不安がある。通夜と葬儀・告別式の区分けは、現在では葬儀に参列できないから通夜に参加するという考え方がなされている。そのため、通夜に人は集まったが葬儀には・・・という寂しいケースもある。2005年の時点で公正取引委員会が葬儀の参列者が減ったと調査で発表しているだけに、思わぬ落とし穴になる可能性がある。

一般葬の金銭的な負担と参列者の問題をクリアしようとしたのが「1日葬」だ。その名の通り1日葬は、本来であれば別であった通夜と葬儀・告別式を一体にして、1日で済ませてしまう葬儀だ。一般葬のデメリットであった予算は1日にすることで抑制でき、さらに参列者の不安も払拭できる。

1日葬の流れ(臨終・遺体搬送と安置・通夜・葬儀と告別式・出棺と火葬)

ただし、1日葬であっても金銭的負担は100~200万円は必要になるケースがある。これは葬儀社の見積もりで数十万円と記載されていても、参列者が増えた分だけ飲食費は増え斎場も大きくする必要があるためだ。

葬儀の費用が参列者によって左右されることを低減しようとしたのが、今流行りの「家族葬」だ。一般葬・1日葬で最大の懸念点であった参列者を、家族(+親族・限られた友人)に限定し、参列者を30人以下に絞るのがポイントだ。人数が限定されることで、余分な飲食費・返礼品・香典返しは不要となり、斎場も人数に合ったものにできる。

家族葬の流れ(臨終・遺体搬送と安置・通夜・葬儀と告別式・出棺と火葬)

他方でデメリットとして、人数を絞り飲食費・返礼品を低減したとしても50~100万円の予算を見込んでおく必要がある。さらに参列者が限定されるため、受け取る香典の額が減るというデメリットもある。子供・孫からの香典は無いため、予想以上に香典は少ないと考えておく必要がある。

また、死亡を知らせる人の範囲に注意が必要だ。あとで「なぜ呼んでくれなかったか?」と軋轢を生むのを避けねばならない。故人が生前に参列者を選定してくれていれば、「故人の意思を尊重した」と断言できるが、そうでないと心苦しい言い訳をすることになる(家族葬のポイントを参照)。

最後の「直葬」は、通夜と葬儀・告別式を割愛して遺体を火葬場に運んで火葬するスタイルだ。予算は10~30万円程度と低額で、仏式ではなく無宗教にすればお布施なども不要となり費用は極限まで低減できる。

直葬の流れ(臨終・遺体搬送と安置・納棺と火葬)

デメリットは、とにもかくにも遺族からの反感に尽きるだろう。身寄りの無い独居老人であれば問題ないが、誰でも少なからず親族・友人知人は存在する。冒頭のデータでも掲出したが、直葬は関東では数が増えて一定の割合を確保しているが、他の地域では明らかに割合が少ない。

特に一般葬が多い東北・中国・四国地方では、あまりのことで親族から反感を買う可能性が高まる。その際の定型句は「故人や先祖を敬う気持ちが欠けている」などが考えられる。仮に故人が住んでいるのが直葬が広まりつつある関東でも、親族・親戚が他の地域に在住であれば直葬で良いかは一考する必要がある。

以上が4つの葬儀スタイルについてだが、どれが良いかは個々人の状況・予算によって変わってくるだろう。ネット・書籍などで情報収集しても腑に落ちないなら、葬儀社に直接尋ねてみるか葬儀・葬式セミナーなどに参加してみるといいだろう。まだ亡くなる前であれば、生前に葬儀について指示するか家族と話し合っておくのがいいだろう。