葬式・葬儀の基礎・流れ・手続き・予算など

家族葬の概要とメリットとデメリットと注意点とは!?

昨今では、かつてのような多くの参列者が焼香を上げに来る葬儀は減っており、比較的小規模な葬儀で、家族・親族などの近親者だけが見送る家族葬が好まれる傾向にある。4つの葬儀スタイルでも記述したように、全体の30%近くを家族葬が占めており完全に市民権を得ている。

また、第一生命の調査によると、全体の27%が家族だけの葬儀を望み、全体の30%が家族と親しい友人だけの葬儀を望んでいる。これが若年層だけではなく、65~74歳の高齢者層でも比率が大して変化していない。日本人全体として比較的小規模な葬儀を求めている傾向になるといえる。

自分の葬式の規模の希望

家族葬の概要の前に、混同しやすい密葬との違いを抑えておきたい。家族葬は密葬と同じく家族・近親者だけで火葬する誤解されやすいが、両者には明確な違いがある。両者の根本的な違いは、密葬が火葬の後に本葬といって知人・友人も参列する葬儀を改めて行うが、家族葬では改めて本葬は行わない点にある。密葬が一部変化して家族・近親者だけで見送る(といっても通常の葬儀に近い読経などもする)家族葬になったと考えればいい。

さて家族葬の概要・流れだが、故人が臨終した後に概ね30人以下の家族・親族・ごく親しい友人に死亡の連絡をして葬儀に参列してもらう。葬儀では僧侶の読経や参列者への飲食等のもてなしをして、その後に出棺して火葬することになる。葬儀に呼ばなかった故人の友人・知人に対しては、死亡通知状(死亡報告状)を送付して知らせることになる。

死亡通知状(死亡報告状)の例イメージ

この家族葬の最大のメリットは、葬儀の費用が参列者によって左右されない点だ。一般葬・1日葬で最大の懸念点であった参列者を、家族(+親族・限られた友人)に限定することで、余分な飲食費・返礼品・香典返しは不要となり、斎場も人数に合ったものにできる。そのため予算としては、葬儀社によって差はあれど100万円以内で事足りるケースが多い。

また、葬儀費用は債務控除で相続財産から差し引けるため、相続税の軽減にはなるが、それでも相続財産(相続する現金)が減るのは間違いない。可能な限り財産を残したいと故人が考えていたり、葬儀に無駄な金を使うなと生前に故人から言われていたなら一般葬ではなく家族葬はドンピシャとなる。

さらに直葬とは異なり、通夜・葬儀・告別式は行うため故人への後ろめたさも無いのがポイントといえるかもしれない。相続財産が少額だが遺族が故人を可能な限り弔いたいと考えているなら、その考えに家族葬は見事に合致する。

ただし、当然ながらデメリットも存在する。まず金銭面では参列者が限定されるため、受け取る香典の額が減る。家族といえど学生・子供からの香典は無いため、予想以上に香典は少ない可能性がある。結果的に知人・友人を幅広く呼んだ1日葬と大差が無い予算にならないとは言い切れない。

また、死亡を知らせる人の範囲に注意が必要だ。あとで「なぜ呼んでくれなかったか?」と故人の友人から責められるかもしれない。故人が生前に参列者を選定していたとしても、「私は故人の親友だと思っていた」と言われれば、故人の意思を尊重していたとしても遺族としては居た堪れないことになる。

そのため故人が生前に選定しておらず遺族が故人の交友関係を調べて、予想以上に多いようであれば家族葬ではなく1日葬にするのも手だ。仮に故人の意思に背くとしても、それは故人の人徳の賜物と考えた方がいい。故人の友人から責められはしなかったが、後から後から自宅の仏壇に焼香を上げに来客が来るようでも意味が無い。家族葬をしたが、結局は一般葬・1日葬をした方が楽だったとならないようにする必要がある。

以上が家族葬についてだが、その他に死亡・相続について不明点・疑問点が出てくることもあるだろう。ネット・書籍などで情報収集しても腑に落ちないなら、葬儀社に直接尋ねてみるか葬儀・葬式セミナーなどに参加してみるといいだろう。まだ亡くなる前であれば、生前に葬儀について指示するか家族と話し合っておくのがいいだろう。