葬式・葬儀の基礎・流れ・手続き・予算など

家族・親族が臨終した後に即決を求められる遺体搬送とは!?

家族・親族の誰かが医師から危篤または臨終の告知を受けると、家族・親族に連絡すると同時に遺体搬送と退院の手続きをする必要がある。通常は臨終が確認されると遺体は病院の安置室に一旦は預けられるが、早晩には自宅か葬儀をする斎場などに搬送する必要がある。

その理由の1つに遺体搬送しなければ病院の安置室が常に満室になってしまう点が挙げられる。あくまで病院は生きている人のための施設のため、臨終してしまえば病院ができることは無い。また、生前に「葬式は不要で、直ぐに火葬する直葬が希望」と話していたとしても、死亡後24時間以内の火葬は法律で禁止されている。何にせよ遺体を1回は病院から別の場所へ移す必要があるということだ。

それでは、遺体搬送にはどのような選択肢があるのか? 大まかに分けて「葬儀社任せ」「自宅」「遺体安置専用の施設」の3つの選択肢が挙げられる。その中でも最も多いのは病院に出入りしている「葬儀社任せ」で、月間仏事を発行している鎌倉新書の調査を見るに全体の約50%近く(没後4時間以内に葬儀社を決定した人々)が病院に出入りしている葬儀社に決めているようだ。

葬儀社を決定するまでに要した時間

それも無理からぬことで、ただでさえ家族・親族が死亡して動揺しているところに即断を求められれば、手を差し伸べてくれた人に頼るのは当然の流れといえる。葬儀社に任せると、遺体は葬儀社の安置室(霊安室)か葬儀の斎場に運ばれることになる。料金は距離によるが1~4万円が必要になる。

もちろん、病院に出入りしている葬儀社任せでも問題は無いが、その後に雪崩式に葬儀まで任せて思考停止してしまう点に注意が必要だ。もちろん病院に出入りしている葬儀社が優れた葬儀社であれば問題ないが、営利を追求する葬儀社だと遺族の意思を尊重せず痛い目を見る可能性がある。

そのため、可能であれば事前に入院している病院に出入りしている葬儀社を調べておくか、自分で別の葬儀社を選んでおくのも1つの手だ。仮に遺体搬送までは病院に出入りしている葬儀社に任せるにしても、それ以降の葬儀については別の葬儀社を利用するために葬儀社に目星を付けておくのも良いだろう。

もう1つの選択肢に「自宅」に遺体を搬送するという手がある。入院が長引いた故人を慣れ親しんだ自宅に1度は戻してあげたい、という気持ちから来るケースが多い。しかし、これが困難な場合もある。最も大きいのがスペースの問題で、自宅のどこに遺体を置くのか、自宅に遺体を運び入れるストレッチャーが通れる十分な広さの玄関・通路があるのか、マンションであればエレベーターに乗せられるかという問題がある。自宅に遺体を安置したいなら相応の準備が必要だ。

また、故人が1人暮らしだと、そもそも自宅といっても家には誰もいない。仮に子供が遠方から来たとしても、遺体を家に置いたままだと外出するにも外出し難くなるだろう。また、自宅を売却して老人ホームに入居していた場合や、入院が長引いたため賃貸住宅を解約していた場合もあるだろう。そういった場合だと自宅に遺体を安置するのは不可能だ。

そういった場合に考えうるのが「遺体安置専用の施設」で、「ご遺体ホテル」「フューネラルアパート」などとも呼ばれている。これらは遺体の腐敗を防ぐために棺ごと冷蔵したり棺にドライアイスをつめたりして遺体を安置してくれる。料金は1泊5000円から数万円までピンキリで、付帯設備・部屋の広さ・地域によって異なる。

フューネラルアパートメンツの例イメージ

遺体安置施設と相性の良いのが直葬で、火葬場に併設されている安置施設なら火葬場までの長距離の遺体搬送も省ける。また、遺体安置施設の中には故人と数人で簡単なお別れ会ができる部屋を併設していることがある。火葬場で荼毘に付す直前に読経してもらうよりも、落ち着いた中でお別れができるというメリットもある。

ちなみに遺体安置施設というサービス業態は、直葬が増えてきて自宅・斎場以外での遺体安置の需要が増えたために生まれたビジネスモデルだ。そのため通常の葬儀社よりも相当に歴史が浅く、葬儀社が子会社を通じて運営していたり、葬儀社の鞍替え・葬儀社の社員が独立、地主の遊休地の活用等々、様々なパターンで増えている。サービスが一定水準に達していない可能性もある点には十分に注意が必要だ。

以上が遺体搬送についてだが、その他に死亡・相続について不明点・疑問点が出てくることもあるだろう。ネット・書籍などで情報収集しても腑に落ちないなら、葬儀社に直接尋ねてみるか葬儀・葬式セミナーなどに参加してみるといいだろう。まだ亡くなる前であれば、生前に葬儀について指示するか家族と話し合っておくのがいいだろう。