終活の基礎知識やエンディングノートなど

エンディングノートの遺品・形見の箇所は税金と遺留分に注意??

終活を始めようかと考えた時に、まず思い浮かぶのが遺書やエンディングノートの作成だろう。エンディングノートには様々な書式・項目があるが、最後の方にあるため割愛したり手を抜いたりしがちなのが遺品・形見分けの箇所だ。遺品整理・形見分けは、遺族に労力が必要になるため可能な限り書いて記入した方がいいだろう。

まずノートの形見分けの箇所だが、エンディングノートによっては寄付の項目も兼ねていることがある。形見分けは親族だけではなく友人知人の提供も可能だが、慈善団体などへの提供となると寄付となる。

エンディングノートの形見分け・寄付の項目

形見分けの際に注意すべきは、形見分けする物に経済的な価値が無ければ相続税の対象外となるが、経済的な価値があれば相続財産とみなされて相続税の対象となり、さらに遺族の相続分(相続財産の取り分)に影響を与えることになる。友人知人への形見分けでも、経済的な価値がある物、特に贈与税の基礎控除の110万円を超えるようだと贈与税が発生する。無用なトラブルを避けるため、高価な物の形見分けには慎重になった方が良いだろう。

また、寄付だと第三者に財産が渡るため、相続財産の遺留分を侵害するような高価な物、例えば土地・建物だと、遺留分を侵害していれば遺族からの申し立てで寄付がされない可能性がある。良かれと思ってしたはずの寄付によって、慈善団体に逆に迷惑を掛けることになる。また、不動産ではなくともトータルの相続財産自体が少なければ、形見分けする物が自動車程度でも遺留分を侵害する可能性があるため注意が必要だ。寄付だといっても気軽に考えずに相続トラブルにならないかを考えておく必要がある。

また、公益法人に寄付すると相続財産から寄付した物は除外され相続税は課せられない点は忘れずにおきたい。さらに故人が個人事業主で、遺族が死亡した年の故人の確定申告を代行する場合、故人の所得から寄付分を寄附金控除として差し引いて所得税を節税できる。

次に遺品整理だが、選択肢は「全て処分」「リサイクルや寄付」「家族に任せる」の3つであることが多い。全て処分が潔いともいえるが、リサイクルや寄付できるものがあれば勿体無いことになる。とはいえ、家具・家財を1つ1つ品定めするのは膨大な作業となるため無謀といえよう。そのため周囲を見渡して価値が見込めるものだけ個別対応することになる。

エンディングノートの遺品整理の希望の項目

個別対応となる物は人それぞれだが、基本的に家にある高価な物から考えればいい。そう考えると、自動車・貴金属(宝飾品や時計)から始まり、着物や家電製品(テレビなど)は価格から考えて個別対応すべき物といえる。遺品整理で取り上げた物でも、備考欄に欲しい人があれば遺族に渡すと記入するのも良い。逆に形見分けの箇所に遺族が不要なら遺品整理で処分して欲しい旨を記入するのも良いだろう。

ちなみにエンディングノートには、遺族に対する法的拘束力が無い。あくまで故人の希望でしかないため、形見分けを拒まれたり希望通りにならない可能性がある。絶対に履行して欲しいなら遺言で残す必要がある点に注意が必要だ。

以上がエンディングノートと形見分け・遺品整理についてだが、その他に終活について不明点・疑問点が出てくることもあるだろう。インターネット・書籍等でも不足するようなら、終活セミナー等に参加して専門家や同じ境遇の人の話を聞いてみるのもいいだろう。