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自分の死後の手続き・作業を任せられる死後事務委任契約とは!?

老後に1人暮らしをしていて子供と離れていたり、1人暮らしで子供がいない場合には自分の死後のことが気がかりになっている人がいるだろう。自分よりも年下の親族(弟・妹)がいれば死後の事を頼むこともできるが、兄弟姉妹揃って80~90歳となると手続きや作業を頼むのも憚られるのではないだろうか?

そういった人は「死後事務委任契約」を一度検討すると良いだろう。生存中の代理である後見人とは異なり、死後事務委任契約は自分の死後の作業・雑務を行ってくれる人との契約だ。死後の葬式・葬儀から墓への納骨、さらに知人友人への連絡から死亡届の提出・遺品整理・ペットの引渡し・ブログやSNSの退会等まで請け負ってくれる。

それでは死後事務委任契約で請け負ってくれる作業は何で、誰と契約を締結するべきで、費用はいくらなのか? さらにメリット・デメリット・注意点には何が挙げられるのか?

まず契約で請け負ってくれる作業内容だが、前述した葬儀・火葬・埋葬の代行から、病院・老人ホームの退院手続き、電気ガス水道・電話・新聞等の解約、住居の引渡し・解約から遺品整理等まで請け負ってくれる。おおよそ死後に必要な手続きの大半を請け負ってもらえると考えて良い。

死後事務委任契約の契約書面例

親族がいても依頼は可能で、遺族の負担を減らすために幾つかの作業だけ依頼するということも可能だ。ただ、依頼する内容・項目が増えるごとに費用は膨らむため、費用を考えると依頼内容を厳選した方が賢明だ(後述の図を参照)

次に誰と契約して作業を依頼するのかだが、依頼する人は親族だけではなく友人知人から弁護士・司法書士・行政書士や、ボランティアで請け負ってくれる。ただ依頼した人が法定相続人(親族・内縁の妻等)でない場合には、死後の相続財産から費用を引き出すことはできない点に注意が必要だ。相続財産を利用できない以上は生前に依頼する人に、諸々の費用を預託金として預ける必要がある。かなりの額になることもあるため、人選は慎重に行う必要がある。

費用については法定相続人が行えば実費(葬儀であれば葬儀費用)で済むが、弁護士・司法書士・行政書士に依頼すると実費とは別に報酬を支払う必要がある。その費用も事務所によって異なるが、概ね下記を目安に考えるといいだろう。特に高額になりがちなのは葬儀の代行と遺産分割で、前者は拘束時間が長いためで、後者は仕組み自体が原因で高額になる。

事後事務委任契約の項目別の費用一覧

また、弁護士等に依頼する際には実費と実施内容ごとの報酬以外に、月額の報酬が発生する事務所もあるため注意が必要だ。また、契約の締結にあたっては契約書の作成に10~15万円程度が発生する点も見逃せない。費用面を考えれば親族・知人友人が良いが、信頼性を考えれば弁護士等の方が安心感(あくまで安心感に過ぎないが)はある。そこを天秤にかけて判断することになる。

最後に死後事務委任契約のメリット・デメリットだが、メリットは死後の心配をせずに済むという点が第一にある。死後に誰にも迷惑をかけずに済むということだ。さらに、死後事務委任契約は見守り契約(定期的な安否確認・緊急時の入院手続き)が付帯していることが多く、1人暮らしで孤独死して長期間放置というケースも回避できる。

他方でデメリットには、まずは費用が発生する点が挙げられる。前述したように法定相続人だと保険金を含めた遺産から費用を捻出してくれるが、弁護士等だと預託金として生前に現金を準備する必要が出てくる。これから発生するであろう老人ホームへの入居費や病院の治療費や入院費を見込んでも、現金に余裕があるのか計算しないと老後の生活が切迫する可能性が出てくる。

注意点としては、依頼する人(受託者)を誰にするかの見極めが非常に重要である点は前述した通りだ。確実に実行してくれるであろう人を見極められるかが問題だ。個人の弁護士等に信頼が置けないようなら公益財団法人を選ぶ手もあるが、法律によって公益を追求すべき団体ではあるが資金流用や不祥事がゼロではない。まずは見守り契約だけ契約して対応を確認してから、死後事務委任契約にステップアップするなどの工夫を凝らすのも手だ。

以上が死後事務委任契約についてだが、その他に終活について不明点・疑問点が出てくることもあるだろう。インターネット・書籍等でも不足するようなら、終活セミナー等に参加して専門家や同じ境遇の人の話を聞いてみるのもいいだろう。