相続税の計算

どれぐらいの土地の広さなら相続税を気にすべきか!?

相続税は相続によって財産を得た人に課される税金だが、相続財産(遺産)の内訳を見ると、その比率は年々減少してはいるが、現在でも土地が大半を占めている。そのため土地が相続税の対象となるかが大きな焦点となる。

相続財産の内訳(土地・建物・有価証券・現金預金・その他)

基本的に相続税は前述したように基礎控除があり、相続財産の全額に課税されるわけではない。基礎控除は「3000万円+600万円×法定相続人の数」があるため、少なくとも3600万円までは相続税を気にする必要は無い。

また、相続人が配偶者1人(両親も子供も兄弟もいない)なら配偶者の税軽減によって、相続税を気にする必要はない。仮に配偶者以外にも相続人がいたとしても、1億6000万円か法定相続分までは配偶者は非課税になるため、相続税は気にする必要がない。

それを踏まえた上で、どの程度の広さの土地だと相続税を意識する必要があるか? まずポイントとなるのは相続人の数だが、仮に配偶者以外に子供1人がいたと仮定して考えてみる。その場合は4200万円が基礎控除額となる。

例えば東京を例にとると、2016年の東京の公示地価の平均価格は、1坪あたり295万円、1平米あたり89万円となっている。相続税を計算する際には、公示地価の8割ぐらいの価格である路線価が用いられる。東京でいえば1坪あたり約240万円、1平米あたり約70万円が路線価となる。東京に土地を持っているなら20坪程度、60平米を超えてくるようだと相続税が気になってくる。

東京都内の路線価の上位ランキング

しかし、一口に東京といっても銀座・丸の内などの商業地域の地価は明らかに高く、それが東京の平均値を上げている可能性がある。世田谷区を見てみると地価は1坪あたり200万円、1平米あたり60万円に下がる。路線価は前者が160万円で後者が48万円となるため、相続税が気になるのは26坪・87平米超と考えられそうだ。

他方で、東京は一軒家よりもマンションが主で、土地持ちは神奈川・千葉・埼玉に多いという考え方もある。そのため神奈川・千葉・埼玉で同じように計算すると、神奈川は路線価の平均は1坪あたり約60万、1平米あたり18万円で、相続税が気になるのは70坪・230平米以上と一気に広がる。

神奈川だと庭付きの一軒家ならあり得る広さだが、千葉・埼玉だと路線価が神奈川の2分の1程度になるため、およそ140坪・460平米と一段と広がる。こうなると一軒家ではなく農地だったが、先祖代々の地主でないと到達しない領域に近い。もちろん千葉といえど、浦安市は路線価の平均が約80万円となるため、どこまで行ってもケースバイケースではあるが。。。

以上が相続税を気にすべき土地の広さについてだが、あくまで目安としては既述の通りのため相続税が気にならなくなった人も多いのではないだろうか。とはいえ、ケースバイケースの面もあるため、不安があるならネット・書籍などで情報収集すると共に、税理士・信託銀行などの無料相談や、自治体主催の無料参加できる相続セミナー・相談会で直に専門家に確認してみるのも手だろう。