埋葬・墓(墓地)・仏壇の基礎知識や選び方・予算など

改葬の件数は増えているのか?改葬が増えている背景は何なのか?

改葬とは、いわゆる「お墓の引越し」で現在の墓・遺骨を別の墓地に移転することを意味する。墓石ごと移転するケースもあるが、墓地によっては墓石の持ち込みを禁止しているケースもあるため、現在の墓を取り壊して新しく墓を建立して遺骨を移すことも多い。

それでは、なぜ最近では改葬が多くなってきているのだろうか? 理由は一般的には少子高齢化と都市部への人工集中と考えられている。現に改葬した人の理由は「出身地を離れて都市に定住しているため墓参りが負担」「寺との付き合いが負担」「1人っ子同士の結婚で両家墓を建てる」「墓守りの親族が亡くなった」等々が多い。

下図は厚生労働省の埋葬・火葬等に関する調査結果だが、改葬の年間件数は全国で約9万件、そのうち約9000件が東京で10%を占めている。東京(都市部)への人口集中が、改葬数が増加している理由の一端というのは間違いなさそうだ。

全国と都道府県別の改葬数トップ10

ただ、東京・千葉の次に多いのが北海道・鹿児島であり、地方都市から自分が住む関東近郊へと長距離の改葬もさることながら、県内の都市部(県庁所在地)に移転している数も相当数あるのではないだろうか。

北海道も札幌から根室や釧路への移動であれば半日~丸1日を要し、鹿児島も大隅半島と薩摩半島は直線距離こそ短いが、フェリーを利用しないとグルっと回ることになり移動時間は長い。鹿児島は離島からの改葬もあるのかもしれないが、そういった距離・時間的な事情があことが予想される。

鹿児島県の大隅半島と佐津間半島

また、2016年の段階で約9万件だった改葬数だが、2000年~2003年あたりまでは6~7万件だったことから、ここ10年近くでも順調に数は増えているのは明らかだ。各種マスコミで取り上げられて身近になったこともあるだろうが、決して改葬が珍しいことではなくなったのは確かだろう。

ちなみに、テレビ・雑誌などでは改葬ではなく「墓じまい」「墓終い(墓仕舞い)」などと言われることもある。これらと改葬は基本的に同義であると考えていい。遺骨は墓埋法によって、どこにでも埋める・撒く・捨てることはできない。そのため墓を処分するなら、遺骨は必然的に他の墓に移す(永代供養墓・共同墓への移動も含む)か、所定の方法で散骨なりをすることになる。墓じまいといっても、そのまま遺骨まで処分できるわけではない点に注意が必要だ。

以上が改葬の件数と背景についてだが、その他に墓・墓地について不明点・疑問点が出てくることもあるだろう。ネット・書籍などで情報収集しても腑に落ちないなら、お墓のセミナーや見学会などに参加してみるのもいいだろう。