埋葬・墓(墓地)・仏壇の基礎知識や選び方・予算など

改葬する前に確認すべき点と改葬に必要な費用とは!?

改葬とは、いわゆる「お墓の引越し」で現在の墓・遺骨を別の墓地に移転することを意味する。昨今では改葬は「墓が遠方のため墓参りが負担」「寺との付き合いが負担」等々から増加傾向にある。マスコミ等にも取り上げられることが多くなったため、改葬を検討している人も多い。ただ、改葬を検討する前に具体的に確認すべき点を抑えておく必要がある。

改葬前に確認すべき点としては、「改葬先(移転先)」「改葬の費用」「親戚の理解」の3つは必須といえる。改葬を漠然と考える前に、まず改葬先があるのか?どこにするか?を考える必要がある。仮に東京・大阪に住んでいて近隣に改葬したいと思っていても、東京都内の公営墓地は抽選で倍率も高いため、永代使用権を取得するには運と相当の日数が必要になる。

また、改葬先を寺院墓地にするなら宗派にも注意する必要がある。現在の寺院墓地と改装先の寺院墓地の宗派が異なると戒名を変更する必要性が出てくる。これは宗派によって戒名の付け方に差があるためで、戒名に違和感が出てしまうためだ。

例えば、東北は禅宗系が多いが関東は浄土宗系が多く、同じ仏教でも地域差がある。故人の没後の名前(戒名)を遺族の都合で変えてしまっていいか?という点もさることながら、新しい戒名を得るには新たにランクに応じたお布施が必要になってくる点も注意が必要だ。

戒名の位(ランク)とお布施の額の目安例

その点、民営墓地なら公営墓地と同様に宗旨宗派不問で、戒名云々も問題にはならず心配は無い。しかし、一般的に永代使用料が寺院墓地と同等程度で公営墓地より高額になる。改葬するための費用を十分に見積もっているかが、次に問題となってくる。

改葬費用は改葬するのが墓石ごとなのか、それとも墓石は新たに購入するのかで異なってくる。一般的に新しく墓石を購入する方が費用は高くなるが、それも改葬先の墓次第ともいえる。例えば墓石と永代使用のセット価格の墓であったり永代供養墓であれば、新たに墓石を購入する方が費用は安くなる可能性がある。

あくまで概算だが、仮に東北から東京近郊の墓地に10㎡の墓を改葬する場合は、下図のような費用が目安となる。当然ながら撤去する墓の広さ、改葬先の墓の建立費・永代使用料、移動する距離によって費用は大きくズレる。あくまで目安と考えてもらいたい。

改葬に係る費用・コスト(墓石を運搬する場合と新しい墓石を購入する場合の対比)

上図で注意したいのは、改葬前の墓地が寺院墓地であった場合の離壇料だ。離壇料は寺院によって左右され、快く了承してくれる寺院から、檀家が減ることに抵抗すべく高額な離壇料を要求する寺院まで様々ある。後者は改葬許可証には寺院(墓地管理者)の署名・押印が必要なため、強気に出てきている可能性が高い。

しかし、日本国憲法の信教の自由は元より、あくまで檀家になるのは契約(檀信徒入檀契約)であることを考えれば解約は契約者の当然の権利といえる。そのため何の遠慮もなく離壇を申し入れればいい。ただ、その寺院を親類縁者が利用しているのであれば喧嘩別れは避けた方が無難だろう。あくまで穏便に済ませる意味では、離壇料を突っぱねるよりは、数万円~数十万円をお布施として渡した方がいいかもしれない。

最後に「親戚・親類縁者の理解」だが、当然ながら改葬して墓地が移動すれば、それまで墓参りをしていた人が今度は苦労することになる。親戚・親類縁者がいなくなったのなら問題はないが、そうでないなら改葬に対する理解を得ないとトラブルになる。なぜ改葬するのか?なぜ改装先は○○地方の○○墓地か?今後お墓に入る人はどうするか?等々は話し合っておいた方がいいだろう。

以上が改葬前の確認と改葬費用についてだが、その他に墓・墓地について不明点・疑問点が出てくることもあるだろう。ネット・書籍などで情報収集しても腑に落ちないなら、お墓のセミナーや見学会などに参加してみるのもいいだろう。