埋葬・墓(墓地)・仏壇の基礎知識や選び方・予算など

民営墓地のメリット・デメリットと平均予算とは!?

自分自身が年齢を重ねてきたり、両親が死亡すると気になるのが墓・墓地についてだろう。どのような墓を建てるにせよ、墓地が必要となるが、墓地は経営主体によって「公営墓地」「民営墓地」「寺院墓地」の3つに大別できる。

その中でも民営墓地は、公益社団法人・公益財団法人といった公益法人か、もしくは宗教法人が運営している墓地だ。宗教法人が経営しているにも関わらず寺院墓地ではなく民営墓地なのは、民間企業(墓地開発会社・不動産会社)が寺院から名義借りをして、墓地の開発・募集し管理運営していることがあるためだ。

それでは、民営墓地にはどのようなメリット・デメリットがあるのだろうか?

まずメリットだが、第一に大規模で設備が整っている点が挙げられる。民間企業が開発しているが公園墓地が多く、緑が豊かで景観も良いことが多い。さらに駐車場の設置は当然として、休憩所・売店・花屋が隣接していたり、参拝者のための散歩道の整備やバリアフリーが徹底されていることが多い。民営墓地は営利目的のため当然といえば当然かもしれないが、墓地そのものに加えて参拝者に対するサービスが充実しているのが、他の墓地との決定的な違いとなっている。

民営墓地の景色イメージ

さらに公営墓地と同じく宗教の制限が無く、宗旨・宗派に関係なく申し込めるのに加え、公営墓地よりも応募条件(購入条件)が緩いというメリットがある。公営墓地のように、墓地の所在地と同一の県・市に住所がある必要はない。

区画面積も可能な限り広げることもでき、墓石についても自由度が高いデザインで建立できるメリットがある。霊園によっては全体の雰囲気を壊さないようにとされているが、それでも面積が広げられることで公営墓地よりもデザインの幅を広げられる。

一方のデメリットには、第一に永代使用料・年間管理費が公営墓地よりも高額という点が挙げられる。例えば東京の都営霊園(小平・多磨・八柱)の永代使用料が15~30万円なのに対して、民営墓地だと永代使用料が最低でも50万円は必要となる。年間管理費も公営が500~600円程度なのに対して、民営墓地だと5000~1万円は必要となる。

永代使用料の平均額

もちろん、公営墓地も立地・人気などによって費用は異なり、青山霊園のように300万円近い費用が必要になることもある。ただ、一般論としては明らかに民営墓地の方が営利目的なのもあって費用は割高だ。さらにいえば、丘陵地や沼地を開発して平地・整地にして墓地を造成することもあり、新聞広告・屋外広告などの広告宣伝費を使って墓地の購入者の募集をするため、その分の費用が上乗せされているともいえる。

また、金額のわりには管理・運営会社の倒産・墓地事業からの撤退というリスクもある。もしも倒産した場合には墓地の閉鎖となり、夜逃げ同然の倒産であれば金銭補償の無いままに墓地が取り壊される可能性もある。仮に運営会社が替わるだけで済んだとしても、以前の料金では経営できないことは明白なため、年間管理費などが大きく値上げされる可能性もある。不安なら、管理運営会社の経営状況などを細かくチェックするか、ほぼ破綻が無い(もしくは国が救済)するであろう公営墓地を選んだ方がいいかもしれない。

さらにデメリットとしては、ほとんどの民営墓地が「指定石材店制度」を採用している点がある。墓地を購入するなら、指定された何軒かの石材店を利用することになるため、その石材店が自分の要望を満たしてくれるかを確認する必要がある。あぐらをかいた過剰な高価格になっていないかを予算面からも厳しく見る必要がある。

ちなみに民営墓地では、完成墓所を販売していることがある。完成墓所は永代使用料・墓石・工事費がセットになったものだが、どこからどこまでがセットなのか注意したい。そもそもの値段が割高ではないかを他の墓地・石材店と比較したり、多少のアレンジを加えたい場合などに幾らの追加料金が発生するかも確認しておきたいところだ。

以上が民営墓地についてだが、その他に墓・墓地について不明点・疑問点が出てくることもあるだろう。ネット・書籍などで情報収集しても腑に落ちないなら、お墓のセミナーや見学会などに参加してみるのもいいだろう。