埋葬・墓(墓地)・仏壇の基礎知識や選び方・予算など

新しいかたちの埋葬方法や墓には何があるのか!?

かつては火葬して先祖代々の墓(家墓)に埋葬するのが最も一般的で、現在でも一定割合を保持しているが、現在では他の手段も相応にある。散骨樹木葬は比較的新しい埋葬方法といえ、その中でも宇宙葬などは歴史が極めて浅い。

また、複数の家族・家系が入る両家墓や、子々孫々ではなく僧侶に半永久的な供養を求める永代供養墓も新しい形といえるだろう。さらに親族だけではなくペットも一緒に入る墓も、現代社会の需要に則った新しい形の墓だろう。ただ、その他にも現代社会に即した新しい埋葬方法・墓も存在する。

その1つに「墓友が集う共同墓」が挙げられる。一般的な共同墓は面識のない不特定多数の人が葬られた墓だが、墓友の共同墓は墓友のみが埋葬される。例えば、同じシルバー向け賃貸住宅や老人ホームに入居している人だけが埋葬される共同墓が例に挙げられる。同じ物件に入居していれば必然的に顔見知りか友人になるが、メンバーの誰かは死亡して先に墓に入ることになる。残された入居者が先に逝った友人を供養する仕組みになっており、入居者の入れ替えはあれど延々と供養は継続する。

墓友のイメージ

この墓友による共同墓のメリット・良い点には、自分も先に逝った友人を見送って供養するため墓と供養に対して実感が湧く点にあるだろう。自分が亡くなった後も友人達が供養してくれると思えば死生観も変化するかもしれない。さらに、家墓だと子孫が途絶えれば無縁墓となり、親族がいても墓が遠方なら供養の回数も減るが、その心配は薄れることになる。

他方でデメリットとして、基礎となった母体が無くなれば供養する者は途絶える可能性がある。前述の老人ホームなら、老人ホームが経営破たんしたり移転するようだと供養の継続が止まる可能性がある。また、同じ入居者で顔見知り・友人になったからこそ、その人が嫌いになったり関係が悪化したことで「同じ墓に入りたくない」となる可能性もある。

最近はサークル感覚で墓友が形成されることもあるため、必ずしも結束が継続するとは限らない。そういった懸念が大きいようなら、生協会員(コープ会員)やJA組合員限定などの少し緩いネットワークの墓を検討してもいいかもしれない。

また、「預骨・迎骨・送骨」という埋葬・墓の形もある。預骨は遺骨の一時預かりで、墓を建立するまでの繋ぎとして遺骨を預けられるサービスだ。納骨堂よりも安く年間で数万円から利用できるが、最終的には遺骨を埋葬する必要がある。仮に音信普通となれば合葬墓に埋葬されるが、業者の負担となるため利用者は責任を持って遺骨を最終的には引き取る必要がある。

迎骨は業者が遺骨を引き取りに自宅まで迎えに来てくれるサービスで、遺骨を自宅に安置して手元供養していたがやり場に困った(供養していた人が死亡して子供・孫に引き継がれた等)場合に利用されることが多い。送骨は遺骨を宅配便などで送って、その後は合葬墓などに埋葬されるサービスだ。どちらも費用は2~3万円で利用できる手軽さがある。

送骨のイメージ

メリットは手軽さに収束されるが、デメリットには業者の選択の難しさがある。NPO法人や歴史の長い業者なら一定の信頼が置けるが、格安で悪質な名ばかり業者も存在する。遺骨を適当に扱って埋葬される可能性も無くはない。迎骨・送骨は手軽さの対価として、送った後に本当に手厚く弔ってくれたか直接確認ができないのが不安点になる。

さらに埋葬・墓の簡略化という側面を強めたものに「バーチャル墓・インターネット墓」がある。墓・故人の写真を長期保管して墓参りができるものから、実際の墓は無く可視化された仮想現実の墓を参るものまである。予算・費用の関係で墓が建立できなかったり、体調不良で墓参りができない人に利用されている。墓を遠隔操作のカメラから監視して参拝できる墓もあるが、このバーチャル墓だとネット空間のため天候・自然災害の心配もない。

他にメリットとしてインターネット空間は無限のため、時間的な束縛やデザインの制限を受ない点がある。昼夜問わず参拝ができ、データ容量が許す限り個性的な墓を建立できるのは大きなメリットになる。料金は墓の写真や故人のデータを長期保存するだけなら2~3万円、バーチャル墓を建立するなら10~15万円程度になる。もちろんデータ容量によって料金は高くなっていくことが多い。

バーチャル墓のイメージ

墓をデータ化する一方で、実際の墓・墓参りにデータ付けする方法もある。スマートフォンのAR(拡張現実)技術を利用して、墓参りに来るとスマートフォンを通じて故人のメッセージが再生・視聴できるサービスだ。故人が生前に何回忌ごとのメッセージを撮影して、死後に親族が墓参りに来てサイトにアクセスすればメッセージが視聴できる仕組みだ。映画で死に行く人が遺族に手紙を何通か残して、それが毎年送られてくる等の演出に近いものがある。

デメリットには、バーチャル墓を墓として受け入れられるのか?に尽きるだろう。利用開始時は受け入れても時間を経て心境が変化するようだと意味が無い。その他にデータ消失の可能性や、業者が経営破綻すれば墓が無くなる点、インターネット回線が利用できないと墓参りもできない点も理解しておく必要がある。

このように時代に即した埋葬・墓、発想の転換ともいえる埋葬・墓、技術革新によって実現した埋葬・墓と、多種多様なものが出てきている。もしも従来の墓に不満を持っていたり、不便を感じているようなら、こういった墓を検討してみるのも良いだろう。