埋葬・墓(墓地)・仏壇の基礎知識や選び方・予算など

自然葬の概要とメリット・デメリットと費用まとめ!?

昨今では「墓が無い」「墓の継承者がいない」「墓の費用が負担」「自然に還れる」等々の理由で、遺骨を自然に還す自然葬が人気になっている。2014年の日本消費者協会の調査でも故人の希望なら自然葬をする人が約48%、できれば自分も自然葬をしたい人が約20%と相当の比率を占めている。同調査では普通の墓を希望する人が約40%を占めており、自然葬が標準とまでは至ってないが、確実に市民権を得つつある。

ただ、一口に自然葬といっても多様な方法がある。エンディングノートなどに自然葬を希望する旨を記入したとしても、どの方法にするか具体的に記述しなければ遺族が混乱する原因となってしまう。以下で自然葬の概要と、各々の埋葬方法のメリット・デメリット・費用などを記述していく。

まず自然葬は「樹木葬」「散骨」に大別され、未だ日本では新しい埋葬方法のため業者等によって細かい差異はあるが、樹木葬は樹木型墓地と樹林型墓地に分けられる。樹木型墓地は1人につき1つの樹木で、一定期間(三十三回忌など)を過ぎると合葬されるパターンだ。樹林型は多くの樹木がある中で始めから合葬されるパターンと考えていい。さらに始めから遺骨を土に埋める場合と、一定期間は地中(納骨棺)に骨壷を安置した後に合葬される場合がある。

メリットは「墓の継承者が不要」「年間管理費が安い or 無料」「トータルの費用が安価」等々があるが、総じて費用面でのメリットが大きい。金額は合葬する時期にもよるが、公営墓地で15~20万円程度、民営墓地で20~60万円程度と、一般的な墓よりは安いのは確かだ。

デメリットは「手を合わせる場所が無くなる」「自然災害」「公営墓地は抽選が高倍率」等々がある。その中でも注意すべきは自然災害による被害で、墓石であれば多少の暴風雨でも何のことは無いが、樹木だと土砂・暴風雨で折れたり枯れる可能性がある。それも含めて自然に還ると割り切れればいいが、遺族からすると墓参りに来たのに・・・という可能性はある。

樹木葬のイメージと抽選倍率

もう1つの「散骨」は、散骨する場所・方法によって様々なパターンがある。最もメジャーな方法は海に撒く海洋葬だが、その他に樹木の下に埋めずに粉末上の遺骨をばら撒く散骨型樹木葬や、空・宇宙まで飛ばして散骨する宇宙葬などがある。

海洋葬は船をチャーターして海で散骨するが、個人でチャーターするか複数組と合同にするか委託して散骨を他人に任すかで費用が異なる。委託すれば5~10万円だが、個人だと20~40万円程度になる。海上で散骨せず空中から散骨する場合には、セスナやヘリコプターをチャーターすることになるが、その場合も費用は20万~40万円となる。

メリットは「自然に還る」「海が墓(ロマンがある)」の他に「費用は墓を建立するより安い」「宗旨・宗派不問」等がある。ただ、費用はプランによっては公営墓地と同程度になることもあるため、誰しもが必ずメリットになるとは言い難い。

海洋葬のイメージ

他方のデメリットには、「分骨しない限りは墓は無い」「遺骨は取り戻せない」「親族からの反感」「散骨の実施数は多くはない」等がある。遺族が遺骨が残らず虚無感に襲われたり、親族から墓を立てないことへの反感を買う可能性に留意する必要がある。散骨すれば墓は無いため、三回忌などの遺族が故人を偲ぶ機会が無くなるのも問題になり得る。

宇宙葬は遺骨を風船(バルーン)で成層圏まで飛ばして散骨したり、ロケットに乗せて宇宙空間で散骨する。費用はバルーンであれば20万円からとなるが、本格的に宇宙まで飛ばして散骨するとなると最低でも50万円、航行距離によっては250万円を軽く超えてくる。

宇宙層のプラン一覧

費用が高額な宇宙葬には費用面でのメリットはないが、「宇宙旅行ができる」「地球が墓(ロマンがある)」という精神面でのメリットが大きい。故人が海外旅行が好きなら、死後は世界中を風に乗って旅ができると思えばロマンがあるだろう。供養する側も空・月を見上げて供養するのはロマンがあると感じる人は多いだろう。

他方のデメリットは海洋葬と同様に「分骨しない限りは墓は無い」「遺骨は取り戻せない」「親族からの反感」等々が挙げられる。ただ、親族からの反感は費用が費用だけに、故人の意思と説明すれば納得してもらえる可能性はある。

宇宙葬の参拝のイメージ

それより注意したいのは、宇宙葬を依頼できる業者が限られている点だ。依頼数が増えなければ数年後には宇宙葬を止めてしまう可能性がある。エンディングノートに宇宙葬を希望する旨を記載しても実施できないとなると、残された遺族は故人の意思を蔑ろにするしかなく深い悲しみと後悔の念を追う可能性がある。他の埋葬方法を代案として記入するなど、何かしら対策を講じておく必要があるだろう。

このように様々な方法がある自然葬だが、デメリットも相当に存在する点に注意が必要だ。それを理由に自然葬を諦めるのも良いが、エンディングノートに代案を記入したり、費用が不安(遺族のトラブルの原因となりそう)なら生前予約して費用も支払うなど、デメリットに対する対策も考えれば浮かぶだろう。

これから自分の死後は自然葬を希望しようと考えている人は、デメリットに対する対策を忘れないようにしたい。さらに生前に家族・親族に一言相談して対策が適切かを確認すると万全だろう。その他に墓・墓地について不明点・疑問点が出てきて、ネット・書籍等で不足するようなら、セミナーや見学会に参加して専門家や同じ境遇の人の話を聞いてみるのもいい。