損害保険 新種の保険の説明・評価

不使用チケット費用補償保険とは?

不使用チケット費用補償保険「チケットガード」は、チケットぴあ・チケットガード少額短期保険が提携して販売している保険で、チケットを購入して諸事情によって不使用だった場合にチケット代金が20万円を上限に全額補償される。果たして利用価値はあるのか?まずはチケット代が補償されるケース(諸事情)について下図を参照してもらいたい。

チケット代金が補償されるケース(保険金の支払いの対象となる事由)

まずチケット使用予定者及び親族家族が死亡・入院・通院になった場合や、同行予定者が同様の状態になったなら、保険金は受け取れる。さらに火事・裁判員に任命された場合も同様だ。さらに急な出張・交通機関の遅延でも保険金は受け取れる。注意したいのは出張とは、1泊以上の出張である必要があり急な残業などは補償外となる。

死亡・入院・火事などの事態になる確率は不明瞭ではあるが、自分も家族も高齢になるにつれ可能性は漸増する。また、出張が多い人や遠方からコンサート会場に向かう場合(さらに台風シーズンや雪の季節)であれば、チケットが不使用になる確率は高くなりそうだ。とりあえず、これらの事由に心当たりがあるなら検討する余地はある。

だが、わざわざ安いチケットを買ったのに保険料でチケット代が上昇しては無意味なため、数千円のチケットであれば保険を利用する意義は乏しい。クラシック・オペラなどの3~5万円のチケットや、ポール・マッカートニーの特別公演のS席10万円のチケットのような場合が保険の利用シーンとして想定される。とはいえ保険料はチケット代に応じて上昇するため、利用するかしないかを見極める必要がある。

チケット保険のチケット代金に応じた保険料

保険料はチケット代金の約10%程度なのだが、チケット代金が高額になるにつれ比率は下落する仕組みになっている。5,000円のチケットに560円の保険料を追加すると合計5,560円になり、支払う金額は保険なしに比べて11%値上がりする。それに対して50,000円のチケットに3,300円の保険料を追加すると、支払う金額は53,300円で保険なしに比べて6%しか値上がりしていない。つまり、高いチケットで保険を利用した方がお得ということだ。

それでは幾らのチケットなら保険をつけるべきかとなるが、これは個々人のサイフ事情や金銭感覚にもよる。と言ってしまうと本末転倒なのだが、こればかりは非常に難しい。一応、3万円を超えてくるようだと、大抵の人は不使用となった場合のショックは多少なりとも出てくるだろう。そのあたりを目安としてもいいのではないだろうか。

以上のように、高齢・仕事が忙しい・遠出をする人が、高額なチケットを購入するようなら保険を利用する価値はありそうだ。特にコンサート目的で遠出をする人だと、目的がなくなった上にチケット代も無駄になるとショックが倍増する可能性が高い。遠出をしてコンサートに行く人だと利用する価値は他のケースより高いかもしれない。