損害保険 解説・用語集

ペット保険の対象になるペットは? (種別編)

ペット保険の対象になるペットは、一般的には健康な犬・猫が基本となっている。当然ながら「健康」でなければ犬・猫でも保険金は支払われない。そのため、ペット保険には保険の申込・加入から待機期間が設けられている。また、ペットの年齢でも制限がされている。

さて、一般的なペット保険では犬・猫が保険の対象とされているが、それは日本においては犬・猫の飼育数が多いためと考えられる。実際、社団法人日本ペットフード協会調べでは2013年時点のデータでは、犬の飼育数は約11万頭、猫が約10万頭となっておりダントツだ。パーセンテージでも日本人の約15%が犬を、約10%が猫を飼育している。

日本におけるペット飼育数の比率と推移

しかし、上図で注目すべきは金魚・メダカといった魚類、カメ・小鳥といった爬虫類・鳥類を飼育している人が多い点だ。現状、日本においてペット保険の選択肢は非常に乏しく、こういった人は限られた保険の中から選択するしかない。

まず、ペット保険の最大手のアニコム損保だが、犬猫の他には鳥・ウサギ・フェレットが保険の対象になる。同じ哺乳類でもリス・ハムスターなどは補償外となっている。リス・ハムスターなども対象にしているのは日本アニマル倶楽部の「プリズムコール」だ。この保険がカバーする動物が最も広く、この保険で加入できない動物となると、日本では実質的に諦めるしかない。現在カバーしている動物は、前述した動物に加え、チンチラ・リス・ハリネズミ・モモンガ・モルモット・ハムスターなどの小動物、オウム・ブンチョウ・カナリア・インコといった鳥類、カメ・イグアナといった爬虫類が対象となっている。

残念ながら、日本アニマル倶楽部でも魚類は保険の対象とはなっていない。そもそも金魚となると、治療してくれる動物病院が非常に少ないのもあるが。。。金魚(魚類)で保険が利用できるシーンというと、金魚が盗まれたケースぐらいだろうか。火災保険などでは空き巣による盗難が補償されるが、その際に金魚が盗まれれば、相応の額の保険金が支払われる可能性はある。ただし、金魚自体の金額ではなく金魚鉢の再調達額か時価になる可能性が極めて高いが。

以上のように、ペット保険がカバーする動物は決して多くはない。もしも一風変わった動物(フェネックやワラビーなど)をペットにする場合には、保険が利用できない以上は、その輸入費等と共に治療費も考慮して予算を組んでおいた方が賢明だろう。