損害保険 解説・用語集

ペット保険の補償内容はどこまで?

ペット保険は、ペット(動物)のケガ・病気を補償し、治療費の一部ないしは全部に相当する額の保険金が支払われる。それでは、その補償内容はどこまでが含まれるのか?

一般的には、健康診断・予防接種・去勢避妊手術といった類は補償の範囲外となっている。これらの必要性はかなり高いが、未だ飼い主の選択肢の1つであり、完全に必要不可欠ではないためだろう。また、保険の待機期間・先天性異常も保険の適用外となる。さらに見過ごしがちだが、ペット保険の適用外となるケースは多い。

まずは、出産関連費用は保険の適用外となる。妊娠・出産はもとより、帝王切開となって動物病院を利用することになっても保険は利用できない。ちなみに、帝王切開となると麻酔代・入院費などで諸々で10~20万円程度が必要になる。

次に注意したいのは、保険の制度上の関係で保険が適用されない病気・ケガについてだ。ここに去勢・避妊も含まれるが、それ以外にもそけいヘルニア(脱腸)などの他、断耳・断尾といった外観上(美容)のための手術も含まれる。さらに、人間の医療保険と同様に、サプリ・未承認の新薬などの薬事法の適用外のものは保険適用外となる。

前述した予防関連の費用にも注意したい。予防接種自体が保険適用外なのは記述したが、予防接種で予防できる病気に罹患した場合の治療費も保険の適用外となる。例えば犬であれば、狂犬病・フィラリア・ジステンバーなどが挙げられる。これらは混合ワクチン1本で予防できるため、それは保険適用外になってもやむなしだろう。また、ペット賠償責任についても基本は補償範囲外で、特約でカバーしているものがある程度だ。

その他、保険会社によって保険適用外というか不払いが起きているケースが散見される。ペット保険の歴史は浅く、ペット共済も含めて業者も洗練されておらず玉石混交だ。なかには詐欺まがいと言われている業者も存在するようだ。ただでさえ、人間の医療保険・ガン保険でもクレームや不払い問題があるというのに、歴史の浅いペット保険ならなおさらと言わざるを得ない。安易に安い保険料に釣られて保険を選ぶのは止めた方が賢明だ。

以上のような点を確認しつつ、その他の請求方法・実額/定額などを加味して目先の節約に惑わされず、ペットのために最善の判断をすべきだ。