損害保険 解説・用語集

航空機預託手荷物遅延費用とは?

航空機預託手荷物遅延費用とは、国内・海外旅行で飛行機に預けた荷物が、自分より遅延または紛失して、旅行中の日用品を購入した場合に、その費用が帰国後に支払われる補償を意味する。

俗にロストバゲージとも呼ばれるが、荷物だけ他の航空便に乗ってしまっていたり、手荷物の取り違いなどによって起きる。ロストバゲージがロストの意味から紛失を意味するのに対して、ディレイドバゲージはディレイの意味から特に荷物の遅延を意味することもある。航空機預託手荷物遅延費用の場合は、ディレイが前提であり、完全に紛失した場合は携行品損害の補償範囲となる。そのため、旅行中の日用品の額からして、1回の補償の限度額は大抵は10万円となっている(携行品損害は30~50万円の場合が多い)

当然ながら補償される物も限定的で、目的地に到着してから3~4日以内にに購入した衣類・生活必需品(洗面用具、かみそり、くし等)とされている。さらに損保ジャパンを例にとれば、衣類とは「下着、寝間着等必要不可欠な衣類にかぎる」ようで、これを文面通りに受け取れば、下着や就寝時の軽装以外は、旅行に出かけた際の服装1着で数日は過ごすことになる。その服を着替えたいなら自費ということだ。もはや存在意義を疑うような内容だが。。。

さらに現在では、先進国に旅行すればロスト・ディレイバゲージになる可能性は過去よりも低い(詳細はロストバゲージになる確率を参照)多く見積もっても3%~4%といったところだ。しかし、航空会社・国によっては確率は高まる。さらに、あくまで確率は確率でしかなく、現にロストバゲージを複数回経験した人も、ネットには存在している。

以上のように、補償内容・確率からすれば、特に必要性があるとは言い難い補償だ。基本的には不要ともいえるだろう。ただし、乗り換え・経由が多い場合や、初めての海外旅行、新婚旅行などの失敗できない旅行などの場合には一考する余地がある。ロストバゲージをしても、保険金が入ると思えば一定の買い物ができ、後から笑い話しにもできよう。数千円をケチるか、どうかの判断機軸は、そこにある。